東京・吉祥寺を拠点に活動していたポストハードコア・バンド4人組。日本のenvyやheaven in her armsに代表されるようなドラマティックかつダイナミックな展開を持つハードコアが特徴的。
本記事では1st EP『現実と交差する何か』について書いています。
タップできる目次
現実と交差する何か(2012)
『TOKYO JUPITER Compilation II 』への参加や欧州ツアーなどで鍛錬し続けてきた、東京・吉祥寺を拠点に活動する激情ハードコア4人組の4曲入り約30分の1st EP。日本のenvyやheaven in her armsに代表されるようなドラマティックかつダイナミックな展開を持つハードコアが特徴的で、轟音ポストロック風のアプローチやソリッドな切れ味を持つ激情HCの要素までを上手く昇華した作風は見事なもの。深遠なアルペジオが光と希望を追い求め、やるせない想いを綴った歌詞を枯れ気味の声で叫ぶ。繊細な静パートはとにかく丁寧に紡いでゆったりと進行。そして、感情の濁流に飲み込まれるような動パートが一気に熱量を高めます。自信に満ちた4曲が揃っていますが、なかでも#2「無呼吸」がドラマティックで素晴らしい。Tokyo Jupiter Recordsのコンピに提供した「借りた右腕」でそのポテンシャルに驚かされましたが、この作品で大きな可能性を秘めたバンドであることを証明しています。