【アルバム紹介】Rituals、拷問のヘヴィサウンドと独自の美意識

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Rituals(2012)

 US・アリゾナ州フェニックスのポストメタル5人組の1stフルアルバム。Fall Of EfrafaやLight Bearer、Morne等をリリースしているAlerta Antifascista Recordからのリリース。初めて聴いた時は、Thouばりの重音を振り回し、そこに冷たくもメランコリックなメロディを噛み合わせたその大胆さにインパクトを受けました。

 ポストメタルというか、ポストスラッジとも表現できそうな黒い音絵巻を展開。ギターもベースもひどくヘヴィでタチが悪いし、けだもののような低音咆哮は野蛮なことこの上ない。かなりの凶悪さでもって鼓膜を制圧してきます。

 それでも冷ややかで透明感のあるフレーズを効果的に配すことで、独特の美的感覚を作品に植え付けてくる辺りは、最近のヘヴィ・ミュージック界の流れを汲んでいる。RekaやTesaなどと近い印象もあり。

 スロウテンポの中で美を意識した前半から、拷問ヘヴィ・サウンドで一気に奈落へと突き落とすってのが#2、#3、#5と共通で、10分超えのこの3曲は終末を思わせる世界観がまた精神的に響く。この手のタイプが好きな人には相当なインパクトがある作品。

お読みいただきありがとうございました!
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