【アルバム紹介】Sequoian Aequison『Qual der Einsamkeit』

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アルバム紹介

Qual der Einsamkeit(2015)

  ロシア・サンクトペテルブルクの重音系インスト・バンドの2曲入りEP。前年にロシアの優良ポストメタル・レーベルであるSlow Burn Recordsから1stアルバムをリリースしています。

 本作でも基本的な方向性は変わっておらず、透き通るクリーントーンが軽やかな光を浴びた雪原を、また暗くドゥーミーなリフがシリアスな影を落としている。

 それはいずれの曲も10分を超える尺の中で、シベリアの鈍行列車で少しずつ景色の移ろいを眺める感じ。メロディアスな側面を持っているためにAmenra程ではないにしても、暗く深く重くのゆったりとした連続。

 その上で台詞のサンプリングが効果的に使用されるようになり、哀感や寂寥感が濃さを増しています。トライバルな感触のあるドラムやエフェクティヴな電子音によって、密教めいた雰囲気が持ち込まれているのも特徴。

 実験性のあるダークなインストとしての効能を2曲約26分で示しています。ちなみに#2は、フランツ・カフカの15篇の詩をコンセプトにしたコンピレーション・アルバムにも収録されているそうです。

 本作の国内盤リリースをお馴染みのTokyo Jupiter Recordsさんが手掛けていますが、そちらにはボーナストラックとして、前作に入っている「Irretrievable」のライヴ音源を3曲目に収録。こちらは録音が結構生々しい感じで、バンドのパワフルさが発揮されたものになっています。

お読みいただきありがとうございました!
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