【アルバム紹介】甜梅號(Sugar Plum Ferry)、台湾の轟音ポストロック

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腦海群島 Islands on the Ocean of the Mind(2010)

   1998年からコンスタントに活動を続けて2015年に解散した台湾のインスト・バンドの3rdアルバム。静から動への迫力のクレッシェンドで聴かせるインスト音絵巻。初期モグワイやExplosions in the skyのように儚げなアルペジオや切ないフレーズを重ねながら、逞しいリズムセクションに乗せて、轟音バーストするスタイル。

 ピアノやストリングスの大らかな響きも用いながら、膨れ上がっていく音圧と共に豪快に景色を塗り替えていく。美しいメロディと分厚いギターサウンドが魅せる静と動のコントラストの鮮やかさ、それに伴ったダイナミズムはさすがに10年以上にもわたって、磨き上げてきただけあって貫禄すら感じさせます。

 言葉を用いずとも雄弁で情感豊かな物語を志向し、ものの見事に実現。メロディアスな旋律とダイナミックなサウンドが美しく轟く#2、咽び泣くようなギターを先導役にして轟音が何度も襲いかかる#5と納得の楽曲が並ぶ。

 また、最後を飾る#6「The Tolling Bell」ではピアノやストリングスを交えて優美で力強く織り上げていくサウンドがとても感動的。ナチュラルな展開と豊かな起伏で持って、表現しがたい程の昂揚を生む真摯なインストゥルメンタル、ポストロック好きなら聴き逃せない。

 フジロック’11でジプシー・アヴァロンで演奏していましたが、素晴らしかったです。

メインアーティスト:甜梅號
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