2007年~2017年まで活動したヴィジュアル系ロックバンド。結成当初より”HEAVY POSITIVE ROCK”というコンセプトを掲げたミクスチャー・ロックで人気を獲得。フルアルバム4作とミニアルバム2作を発表し、2017年9月の日本武道館公演を最後に解散。2023年に限定復活を果たしました。
本記事は4thアルバム『BLACK』について書いています。
アルバム紹介
BLACK(2015)
4thアルバム。全17曲約57分収録。活動休止期間を経てのリリース。見た目はチャラい感じではありますけれど、自身の主催フェスなどを通じてBABYMETAL、BiS、ベイビーレイズ、東京女子流、稲川淳二との共演を果たしています。V系シーンの外への欲求が強く、本作でもその想いが強く表れております。
SuGってるかーい?と問いかけてくる本作。近年のMUCCより広域なミクスチャー・ロックを鳴らします。全17曲とボリューム満点の今回の作品について、Vo.武瑠氏はインタビューで”一番カラフルな色が黒(いろんな色を塗り重ねていくと、最終的に黒になると思うという意)”と語っています。
確かに様々なジャンルが飛び交っています。ポップス、ヘヴィロック、パンクにエレクトロ、ヒップホップにダブステップ等も取り入れてかなりのスクランブル交差点ぶり。ヘヴィなリフで振る舞いつつ真っ直ぐなメッセージが込められた#2「MISSING」、トロピカルな昂揚感に包まれる超ポップ#6「B.A.B.Y」など要所に配置されたシングル曲を中心に、バラエティ豊かな楽曲が揃っている。
前作の『Lollipop Kingdom』以上に混沌としていますが、ちゃんと区画整理されたアレンジで3~4分台にコンパクトだけど味のある仕上がり。 EDM+ヘヴィロックな#4「overflow」やマリリン・マンソン臭い#7「DEAD or DEAD」など攻めるとこは攻めてるが、メジャー仕様のポップ感も蔓延。
#11「神様の悪戯」~#12「Time after time」のゆるやかな流れに引き寄せられ、ラストはシンフォニック系ゴシック・メタル感のある壮大な#17「BLACK」で、有無を言わさぬ締めくくり。特定層を狙ったものではないし、ファミレスばりのメニュー雑多ぶりで寄せ集め感はあるにせよ、充実感はしっかり伝わってきます。
活動休止を含めた足掛け3年の成果がしっかりと表れていて、たくさんの色が衝突して生まれていく黒だけどもカラフルな世界は、おもしろい。