Voice of the Seven Thunders、体中に電流を走らせる旋律

2013/04/152022/10/03

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Voice of the Seven Thunders(2011)

　UKのRick Tomlinsonによるサイケデリック・ロック・プロジェクト。Voice of the Seven Woodsから名義変更の初となるアルバム。本作で初聴。ひりひりと肌を突き刺すエレクトリック・ギター、フォーキーなサイケデリアを広げるアコースティック・ギターが交錯します。情念を燃やすように弾かれるその旋律が体中に電流を走らせ、叙情的なニュアンスを忍ばせながらも猛々しく響きわたる。

　ファズのかかったギターが轟いたかと思うと、オリエンタルなフレーズが鳴らされたり、叙情的なアコギを垂れ流したりと様々な引き出しを用いて楽曲を染色。リズムにはパーカッシヴな躍動感があり、プログラミングによる空間処理が奇妙な螺旋模様を描く。時には彼自身の歌で哀感を表現。

　異界への入り口となる#2「kummune」を皮切りに、#3、#5で鳴らされるサウンドは、まさにサイケデリックという言葉を突きつけているかのようです。特に圧巻なのは#9「Set Fire to The Forest」で、弾きまくる狂騒サイケデリック絵巻に悶絶。普通にSSW系の楽曲として機能しそうな柔和なフォーク#10で締めくくられる点も意表を突かれます。

　10曲約35分、脳味噌をひっかきまわされっぱなしでインパクトは大きい。独特の風情と感覚を持った逸品に仕上がっています。