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hypersleep(2011)
ボストン・マサチューセッツ発の激重スラッジ・バンド。本作は1stアルバムにして、フル作としては最終作。海外誌には”アンビエント・スラッジ”なんて評されていたり、Bandcampの紹介には”スペースゲイザーやSFスラッジ”と呼ぶにふさわしいとも書かれています。
音から想起するとHydra HeadよりもRelapse寄りの作風。2ndの頃のMouth of The Architectは近いかもしれません。地鳴りのスラッジ・メタルが拠り所で巨大なグルーヴ、それにドスの効いた絶叫がゆっくりと聴き手を威圧。さらにはエレクトロニクスによる儚い空間意匠やポストロック的なたおやかさを盛り込みます。
叙情性に対しての気遣いもしっかりと成されていて、静と動のコントラスト、クライマックスに向けて登りつめていくような曲調からはポストメタルという形容も間違いではありません。しかし、メタル風味のギターが頻繁に登場してくるのも醍醐味のひとつ。ギター・ソロまで飛び出しますが、アトモス系スラッジという表現が一番しっくりくる。
本作では特に中盤#6~#8にかけてが聴き所です。変に美意識を湛えた轟音の濁流によって深い谷底へと押し流されていく。全体通して今一つ抜けたものがないという印象はありますが、練られた作品は生み出されています。
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