楽しさがみんなに伝染していくようなライヴでした。これでフジロック’22、2022年11月末の単独公演に続き3度目のElephant Gym公演。マスロックはしかめっ面で己の楽器と向き合い、複雑に音符を弾き出すもんじゃない。エレファントジムは、演者が心の底から本当に楽しそうに演奏する。それが会場全体に伝播。こんなにも笑顔の輪が広がるライヴもなかなかないですよ。
本ツアーはデビュー10周年を記念したツアーです。4thアルバム『WORLD』を年末に発表。作品を出すごとにポップなフィールドへ軸足を移しているように感じますが、ゲストを数多く招き、にぎやかで華やかな音が聴き手を楽しませます。
アルバムからはTENDREが参加した「Feather」、亀田誠治詩とのダブルベースが話題を読んだ「Name」を披露。前者はGtのTellさんがヴォーカルを務める形で披露され、後者は映像付きで魅了してくれました。
KTさんは相変わらず人をひきつけます。加えていつも通りのビール飲み。この日もYEBISU500mmとASAHIスーパードライ500mmを気持ちよく補給しながら極上の演奏。あの複雑な演奏を乗りこなしながら歌ったり、指板を全く見ずにタッピングしたり。途中からただの超人じゃないかと思いつつも、MCは親しみやすいことこの上ない。でもこういう本音も聞けました。
「このツアーはわたしたちの10周年のツアー。それは本当に難しい。バンドは本当にお金にならな(ここで止まる)」
ライブは全20曲約100分の大盤振る舞い。「Midway」「Spring Rain」「Finger」といった人気曲では歓声があがり、「Shadow」や「Moonset」では原曲とは違ってKTさんの歌声で披露されます。
また本ツアーは小西遼氏が率いる象眠舎のホーンセクション4名を交えての特別編成にもなっています。フジロックは台湾の方々がゲストでしたが、今回は今回で違った味わい。『WORLD』でりアレンジされた3曲以外に「Anima」や「Witches」がサックス、フルート入りで演奏され新鮮なインパクトがありましたね。
「私たちはアンコールを予定してセットリスト?を組んでいません。もう疲れた」で笑いが起こり、ラスト2曲は「 Ocean In The Night」と「Galaxy」で締め。華やかなホーンセクションと共に聴かせる優雅な演奏を前に歓喜に包まれ、ライヴは幕を閉じました。
そしてまだ解禁されてない情報がここだけの秘密で発表になり、すぐ観れる機会ができたことに感謝。発表をお楽しみに。
—setlist—
01. Games
02. Frog
03. Shadow
04. Go Through The Night
05. Feather
06. Midway
07. Spring Rain
08. Name
09. Underwater
10. Deities’ Party
11. Moonset
12. Anima(with 象眠舎)
13. Light(with 象眠舎)
14. Wings(with 象眠舎)
15. Witches(with 象眠舎)
16. Half
17. Quiet
18. Finger
19. Ocean In The Night(with 象眠舎)
20. Galaxy(with 象眠舎)