cinema staffが故郷の岐阜でキュレーションする音楽フェス、OOPARTS。わたしは2022年から3年連続の参加しております。シネマの面々が親しいバンド仲間から憧れの先輩、地元の活きのいいバンドやグループ、そして近年は海外勢も呼んでおり、毎年おもしろいラインナップになっている。
本日の公演も残響系~マスロック/ポストロック勢が邦ロックの勢力に勝る不思議な感じ。東海地方でtoe、LITE、Elephant Gymがそろい踏みで見れるフェスなんて基本的にはないわけで(笑)。そりゃあ行きますよねえ。
岐阜市文化センターは街の由緒あるホールみたいなところ。中に入るとわかりますが、市の所有建造物って感じがしますね。あとは名古屋市民からすると同じ県内の優良フェス”森、道、市場”へ行くよりも岐阜の方が近いし、交通費が安いという謎さもあったりします。
今回はメインで見た4組について書いています。
ライブ感想
LITE
「歌うインスト・バンド、LITEです」
そんなことをライブ途中で武田さんは話しました。たしかに今年リリースの新作『STRATA』は過去になく歌っているアルバムです。本日はそこからの出典がメインで5曲を演奏。今までわたしはLITEを10回ぐらい見ていますが、「EF」を演らない日がなかっただけに驚きはあります。
新作の曲はマスロックを基盤にクラブ~ヒップホップ的なニュアンスを取り入れ、クールな音楽として機能させているのはライブでも実際に感じたところ。「Endless Blue」や「Thread」など新機軸としてのカッコよさがありました。
「LITEも21年目なんですよ。長くやっていると友達がファンですとかいう人にそれなりに会うんです。そういう人らは大学生の時に聴いてました。懐かしいっすねえ。って言うけどいや今聴けよ!」というMCもあり。でも、そこからサービスの代表曲「Bond」の爆発ぶりはすさまじいものがありましたね。
OOPARTS名物になる「D」「Infinite Mirror」をcinema staffの辻さんと共に奏でる姿。さらには4年連続出演となり、昨年のFake Creatorsや2022年の前夜祭も含めて6ステージをこなす準レギュラーの稼働率。このフェスに欠かせない頼もしい存在です。
—setlist—
01. Endless Blue
02. Deep Inside
03. Crusing
04. Break Out
05. Thread
06. Bond
07. D – feat.Tomotaka Tsuji(cinema staff)
08. Infinite Mirror – feat.Tomotaka Tsuji(cinema staff)
Elephant Gym
1月末に観たばかりですが、2カ月ちょっとで早くも再来日。いきなり「Underwater」をやり直しスタートしてましたが、3人の愛嬌のあるキャラクター性と超絶テクで有無を言わさぬ極楽へと連れていくElephant Gymは本日もとても良かったです。
40分尺ではありますが代表曲を網羅したセットリストで魅力を凝縮。3人が日本語でMCもするのも変わっていない。MCでは2018年のOOPARTSに出てたこと、そして先日の台湾地震についての支援への感謝について述べていました。
途中では「LITEは2019年のアメリカツアーを一緒にまわった。カッコよかった。でもわたしの方がもっとカッコいい!」とKTが豪語。明鏡止水の境地でなめらかな運指で弾く「Finger」を見るとそりゃあそう思いますよ。ただ、悲しいことに今日のステージドリンクは水でした。ビールをがぶ飲みしながら弾くKTこそが至高ではある。
—setlist—
01. Underwater
02. Games
03. Shadow
04. Spring Rain
05. Midway
06. Witches
07. Feather
08. Finger
toe
昨年の”森、道、市場2023″ 初日以来、約1年ぶり。スタートは「past and language」から。ライブで聴くのはたぶん10年ぶりぐらいなんですけど。ツインギターの美しい旋律を連鎖させ、感情的に爆発していく同曲はいきなりtoeを体感することの贅沢さを味わうことになりました。
代表曲2連発となる「レイテストナンバー」や「エソテリック」はどちらも終盤で轟音と狂騒で包み込む。「エソテリック」はもう制御することをやめたのか奔放に弾き倒し、エフェクターで音がぶっ飛んでましたね。
そして「グッドバイ」をKT(Elephant Gym)がゲストで歌う世界戦に突入。高嶋政伸なら前のめりで「姉さん事件です!」と言ってくるレベルですが、こんな奇跡もフェスならではの光景。その「グッドバイ」の大団円感をラスト「 F_A_R」が哀愁と情熱で締めくくる。やはり贅沢なライブでした。
でも”ちょくちょくライブやってて新聞で広告出してますんでチェックしてください”というMCは笑うでしょ。
—setlist—
01. past and language
02. Because I Hear You
03. レイテストナンバー
04. エソテリック
05. グッドバイ with KT(Elephant Gym)
06. F_A_R
9mm Parabellum Bullet
OOPARTSのメタル枠・・・じゃなかった憧れの先輩枠。いつぶりに見るのかと思ったらAt The Drive-Inの前座だった2017年以来。かつてはフジロック09’やLUNATIC FEST 2015、凛として時雨とのニッポニア・ニッポンで見ていたりする9mm。初期はめちゃくちゃ聴いてましたからね。
全然隠さないメタル感であったり、そこはかとないヴィジュアル系にルーツあります感の演奏。それと裏腹に歌謡チックな歌メロがあったり。待ちわびてた人は多かったようで、さっきまでのノリが完全に切り替わりロッキンモード。しかも初期曲連発じゃねえかよ、ありがたいことに。
「Discommunication」に「Termination」、「Talking Machine」、「(teenage) Disaster」とこれはアがるなという方が無理。かつて聴いてたころの自分を思い出しつつ。精力的に活動を続ける9mmのカッコよさを再認識。
今日、久しぶりにみたことでenvyの滝さんだったところが、9mmの滝さんに認識が引き戻されました。彼等も今年で結成20年目とのこと。これからもブチかましてくれる音楽を期待してます。
—setlist—
01. 名もなきヒーロー
02. The Revolutionary
03. One More Time
04. Discommunication
05. Termination
06. Brand New Day
07. ハートに火をつけて
08. Talking Machine
09. (teenage) Disaster