【アルバム紹介】Iress『Sleep Now, In Reverse』

 2010年から活動しているLAのドゥームゲイズ4人組。Michelle Malleyのヴォーカルを最大の武器にドゥーム、シューゲイザー、スロウコアをミックスした音楽を奏でる。その様に海外誌では”Adele of Doom”なる形容もされています。2024年8月にはArcTanGent Festivalに出演を果たしました。

 これまでにフルアルバム3作品、EP1作品をリリース。本記事は2024年7月末にリリースされた最新作となる3rdアルバム『Sleep Now, In Reverse』について書いています。

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アルバム紹介

Sleep Now, In Reverse(2024)

 3rdアルバム。全10曲約50分収録。Church Road Recordsへと移籍してのリリース。Echoes And Dustのインタビューによると”ビーチハウスやコクトーツインズ、デフヘヴンを制作中によく聴いていました。このアルバムは間違いなく、ヘビーさとソフトさが絡み合ったものだと思います“と話します。

 本作で初聴きですが、Michelle Malley(Vo&Gt)を中心としたIressはドゥームゲイズとくくられることの多いバンド。そんでもってドゥームよりもゲイズ寄りなのが特徴。どっしりと分厚い音の層を成しているにもかかわらず、美しいクリーントーン、そして海外誌では”Adele of Doom”なる形容もされているMichelle Malleyの歌声が全体を柔らかく調合しています。

 先行シングルとなったオープナー#1「Falling」から重みがあるのにまろやかな聴き心地を実現。そこからアルバム全体に波及していくミステリアスなトーンがまた聴き手を引き寄せます。

 #3「Mercy」ではヘヴィでダークなカラーリングが強まりますが、過剰にヘヴィさや歪みを推進はしていません。空間に適度なすきまを持たせており、それがゆったりとした落ち着きや奥行きを与えています。ゲイズ寄りとはいったものの、歌ものとしての訴求力の高さは他の同系統と比べても抜きんでいるかなと。

 もうひとつの先行シングル#6「The Remains」からはDeftones的な浮遊感、さらに暗黒ドゥームメタル度が一気に高まる#8「Knell Mera」ではKing Womanとタイマンはりにいくようでもある。

 ちなみにDECIBEL MAGAZINEインタビューでは本作を5つの言葉で表すとどうなるかという質問に対し、”魅惑的。 ダイナミック。 エモーショナル。 メロディック。 カタルシス“と回答。そこにつけ加えるなら奥ゆかしさ。陰りを帯びていても上品な奥ゆかしさを感じさせるのが本作で最も魅力に映ります。

メインアーティスト:Iress
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Iress “What Was I Made For?” (Billie Eilish cover) live at The Echo in LA
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