bacho ‐‐Review‐‐

2002年に結成された4人組ロックバンド。兵庫県・姫路を中心に活動を続けており、魂揺さぶる日本語ロックが支持を得る。2013年にはフジロックのルーキーステージに出演を果たした。2015年2月には足掛け13年にも及んだ1stアルバム『最高新記憶』を発表。


最高新記憶

最高新記憶(2015)

  結成13年目にして1stフルアルバムの発表。なんて日(めじ)だ! というわけで兵庫県・姫路の雄、bachoである。2013年にフジロック・ルーキーステージに出演した経験を持つ実力派。その時にいくつか音源を試聴しているけれど、アルバムを通して聴くのは本作が初めてです。

 「音楽じゃ食えんよ、そんなに甘くはないよ」「二束三文のmusic」「音楽は逃避行じゃない」
 「重なる一瞬の日々に輝く一瞬の火花 共に眺め、心震わせようじゃないか」

 印象的な詩を4つピックアップしてみたが、日々の生活からアウトプットした生々しい日本語詞にとにかく気持ちが動かされる。等身大の自分達を包み隠さずに、太陽にも匹敵する熱いエモーションを込めて歌う。これがbachoの一番の持ち味だろう。音楽的にベースとなっているのは、オルタナティヴ~ポストハードコアという印象だが、eastern youthやbloodthirsty butchersなどにも通ずるものがある。一言で例えるならば、”魂の音楽”だ。「さよならだけが人生さ 孤独だけが最後まで友達さ」と言葉を放つオープニング曲#1「さよなら」、地元を舞台に自身の回想を踏まえながらストーリーが展開する#7「高砂」などの人間臭さには、思わず胸を打たれる。また、繊細なピアノがフィーチャーされた#6「落葉」は異色といえるかもしれないが(2年前に発表された7inchの時とは、ver違いとなっているらしい)、叙情性が凛と引き立った楽曲で感傷的な気分に浸れるもの。

 彼等には突飛な表現というのはないのだが、#2「最高新記憶」や#11「孤独な戦い」を聴いていると、自分達には音楽しかないという意地と覚悟がにじみ出ているように思う。夢にまだ縋り続けることを歌う#10「ドリームドランカー」も切迫感が半端ない。だからこそ、余計にbachoの熱を感じる。とにかく不器用なんだけれども現実に歯を食いしばり、光を求めて踏ん張って生きていく。その強い想いを宿した1stアルバムなのだ。聴いてて感じるのは、詞やメロディを通じて、リスナー自身も自問自答して奮い立たせられる作品になっているということ。純粋な感情から生まれただろう「挑戦し、掴みとれ 更新する未来、最高の新記憶」という言葉は、かけがえのない日常とこれからを彩るものとして胸に刻みつけておきたい。

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