【作品紹介】ORGAN『IMMOBILISM』

 2013年からイタリアを拠点に活動する4人組。”Post-Doom”を自称し、暗く閉塞感のあるインストゥルメンタルを演奏する。ちなみに各メンバーはAmia Venera Landscape、Gorrch、In Torment I Dieといったバンドに参加。2015年に1stアルバム『Tetro』、2018年にEP『Eterno』を発表。その後にメンバーの入れ替わりがありましたが、2026年4月に2ndアルバム『IMMOBILISM』をリリース。

 本記事2ndアルバム『IMMOBILISM』について書いています。

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作品紹介

IMMOBILISM(2026)

 2ndアルバム。全5曲約39分収録。EP『ETERNO』から約8年ぶりの作品となります。タイトルのIMMOBILISMは、直訳すると不動主義を意味する(イタリア語のimmobile:インモービレにismがついた言葉)。IDIOTEQの記事を参照すると、メンバーはこう述べています。”IMMOBILISMとは、人を蝕む精神状態であり、まるで自ら引き起こした睡眠麻痺のようなものだ。『IMMOBILISM』は、そんな状態のサウンドトラックになりたいと思っている

 ORGANはBandcampのプロフィール欄で”Post-Doom”を自称しています。その中身は平均8分の尺でミニマリズムを基調にゆっくりと段階的な変化を遂げていくもので、ここに言葉はありません。ドゥームメタルに寄った遅く重いリズムの上に、ツインギターはユニゾンで壁のごとき威圧を生み出しもすれば、片割れが出口を求めてメロディーを奏でたりする。

 停滞と推進が同時に行われているかのようですが、しかしながら明確な出口を見つけられず、4人の生み出す重音でお膳立てされた閉塞感と圧力の中に屈していく。どの楽曲も兵糧攻めのごとく、じわじわと、じりじりと精神を蝕む形。近いのは同郷のLentoであり、ORGANもまた15年ぐらい前だったらDenovali Recordsから発売されているだろうヘヴィ・インストゥルメンタルだと感じます。

 冒頭を飾る#1「Tenebrism」のタイトルは”光と闇の強烈なコントラストを用いた絵画のスタイル”のことを指す言葉ですが、その暴力的なテクスチャーは闇を優勢にしつつ、終盤は少しだけ緊張感が和らいでくる。中盤に置かれた#3「Devouring」は本作中で最も速度を上げる楽曲になりますが、速さは快感に寄与せず、息苦しさのアシストになっているのがバンドの特徴ともいえます。

 到達できないといった意のラスト曲#5「Inaccessible」は、殴打するリフの繰り返しの果てにドローンの中に沈む。本作は儀式という感じはあまりしなくて、5曲を通してもたらされるのは”音楽を聴いて閉じ込められている”という体験でしょうか。開放感や光へと向かわない。堂々巡りの美学というべきか。

メインアーティスト:ORGAN
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