Kerretta、ダーク・インストゥルメンタル

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Vilayer(2010)

 2005年にニュージーランドで結成されたインストゥルメンタル・トリオ。これまでに4枚のフルアルバムをリリースし、MONOのサポートを務めた経験がある。本作は1stアルバム。全8曲約45分収録。マスタリングをBos Weston(Shellac)が手掛けています。

 海外サイトでは”ヘヴィ・ポストロック”や”ダーク・インストゥルメンタル”といった表現を見かけましたが、概ねその通り。プラスしてマスロック的な展開が盛り込まれています。まさしくRussian Circlesなメタリックな爆音を鳴らしながら緩急を巧みに操る。

 ゴリゴリのベースラインと強靭なドラミングを下敷きに、ギターリフが荒々しく刺さり、ノイジーな爆音が飛散。序盤の#1、#2はかなりテンポ良くアグレッシヴにドライヴしていく楽曲で、ポストハードコアやマスロック寄りの感性がバンドに根付いている事を印象付けます。

 それ以降はポストロック的アプローチで細やかに空間を彩ったり、アンビエント/アトモスフェリックな音像を紡いだり、どことなく陰りのあるサウンド・デザインで薄気味悪い風情をさらしたり。アコースティックな音色と独特の叙事性でGrailsのような無国籍な風景を描く#7はとても良いアクセントとして機能しているし、Neurosisを思わせる涅槃の世界に突入していく#8の締めくくりも良し。ダイナミックさはキープしており、静と動、明と暗の対比・演出がまた見事。

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