タップできる目次
アルバム紹介
リズム(2015)
2003年から活動している愛知県TOYOTAのハードコア・バンドによる2作目。当時の7人編成で制作されています。前作『いってきます』より4年ぶりとなるようですが、わたしは本作で初聴。
誰しも生活する上で『リズム』が存在すると思いますが、この『リズム』に慣れるのはなかなか難しいのが本音でしょうか。アングラ的なキナ臭さと不穏な空気感の渦巻き
。オープニングを飾る表題曲#1「リズム」の挑発的な煽りもあるにせよ、速射砲の如きラップ調の歌やフリーキーなサックス、肝心要のリズムによる異様なグルーヴで心も体も乱されます。
7人編成による土着的で立体感のあるサウンドは特徴のひとつ。全体的にはオルタナティブ~ハードコアと表現できるかもしれませんが、混沌としてて掴みどころのなさは独特の味といえます(メンバーの解説によると、本作はシンプルにしたらしい)。
各楽器がえらく火花を散らす割りとストレートな曲調の#2「Blind Violence」や山奥で行われる儀式のよう前衛曲#5「火をつける」等、ヤーレン狂乱狂乱 のノリ。
終いには#7「Revolution in the summer」で夏しちゃってるはっちゃけモードになり、#8「Night stride night」ではハードコアとフリージャズのぶつかり稽古みたいな展開が挟まれ、聴き手のリズムを大いに狂わせる。
異端であろうとするがゆえのひねくれっぷりが十分伝わる1枚ですし、刺激度は高い。