ラトビア・リガ出身の3人組。激情系ポストハードコアやポストメタルをミックスしたスタイル、ならびに反復を基調とした展開で独自路線を進む。Neurosisが2013年、2016年のヨーロッパツアーのサポートに招待されることからもその実力は折り紙付き。
本記事は3rdアルバム『Heartbeat From The Sky』、4thアルバム『Ⅳ』について書いています。
アルバム紹介
Heartbeat From The Sky(2008)
3rdアルバム。全6曲約32分収録。遠くバルト三国から届けられた本作は、激情ハードコア~ポストロックの領域を何度も行き来しながら、スケールの大きいサウンドをぶつけてきます。
悲哀で冷たい旋律、むせび泣くようなフィードバック、強靭なグルーヴを軸に悲痛な絶叫と荘厳な女性コーラスが交錯して構築。
アルペジオを主体としたインスト・パートが大半を占めますが、静寂から激動へと遷移していく王道パターンを用います。楽曲毎に訪れるクライマックスは昂揚を掻き立てる仕様。
またタイトルが”Ⅰ”~”Ⅵ”ということからも理解できるが、作品ひとつで1曲といえるほどの壮大さがあります。
LVMENの影響を感じさせる混沌とした#1に始まり、ラストの#6まで驚くほどの興奮が詰め込まれる。”激情”というキーワードは随所に感じられますし、緊張感を煽って静から動へと切り替わって暴発するダイナミズムもなかなか。
Ⅳ(2012)
4thアルバム。全3曲約35分収録。激情系ハードコアとポストメタルを絶妙にミックスさせたかのような仕様で、美轟音ファンを狂喜させるだろう内容です。
前作と比べても重量感と迫力が大いに増しています。インスト・パートに比重を置き、アクセント程度に絶叫が入る形で、轟音ギターと強靭なリズムが寄せては返し、この世の果てを行く。
全3曲のみの収録ですが9分半、7分強、ラスト曲に至っては18分22秒にもおよぶ。轟く重厚な音塊はYear of No LightやRekaにも比肩します。
一気に覚醒したポストメタル・スタイルで全編を押し切る#1「Ⅰ」、冷たい旋律のリフレインからノイズ爆撃に見舞われる#2「Ⅱ」と続き、じっくりとタメを効かせてから全てを蹴散らす暴風が吹き荒れ、最後の静寂すらも慄きを覚える18分超の「Ⅲ」で圧倒
。どの曲も強烈な仕上がりですが、哀感と冷たさ、そして暗さが通底しているのはこのバンドらしい。従来のサウンドからさらに重みと迫力を獲得した作品です。
Ghost(2015)
5thアルバム。全5曲約41分収録。G、H、O、S、Tの5文字&5曲から成り、マスタリングはジェイムズ・プロトキンが担当。
C O N T R O L(2020)
6thアルバム。全6曲約42分収録。マスタリングは引き続きジェイムズ・プロトキンが担当。