スイス出身のフォーク・メタルバンド。2002年から活動を続け、メンバーチェンジを幾度か繰り返しながら現在は9人編成となっています。
大所帯を活かし、ギター、ベース、ドラムといった定番3神器に加え、ヴァイオリンやフルート、 バグパイプ、マンドラといった民族楽器を使用して立体的で厚みのあるサウンドを生み出す。北欧メロデスと民族メロの効いたフォークの融合を図った音楽は多くの人をひきつけています。
本記事は2ndアルバム『Slania』について書いています。
アルバム紹介
Slania(2008)
2ndアルバム。大所帯を活かし、ギター、ベース、ドラムといった定番3神器に加え、ヴァイオリンやフルート、バグパイプ、マンドラといった民族楽器を使用して立体的で厚みのあるサウンドを奏でます。
聴いた感じでは、At The Gatesや最近のDark Tranwuillityをリスペクトしたかのようなメロディック・デスメタルと民謡を融合。勇猛なメタルの攻撃性を抑え付けることなく、郷愁のメロディを同居させることに成功。それゆえに表情が豊か。
モダンな要素も混じっており、古代・現代の時間軸を行き来するようなトリップ感を覚えることもあります。様々な要素が織り成すEluveitieの音楽には人々を惹きつける魅力が溢れている。
圧巻のバンドアンサンブルが生み出す極上のハーモニーは素晴らしく、伝説の幕開けを予感させる#1から続く”ペイガンメタルとはなんぞや”」を挨拶代わりに叩きつける#2で一気にEluiveitieワールドへ。
序盤は強力で、特に#3「Inis Mona」はバンド自身のこれからのキャリアにおいても重要な位置を占めそうな名曲。デスラッシュ然とした超攻撃的な#6,#7,#10,#11も非情感で押し切るわけではなく、民族楽器の絶妙なサポートで艶やかな色を加えています。
#5や#9のインストも民謡のスパイスを効かせた叙情性が全面に押し出されており、耳と心の両方に伝わってきます。ボーナストラックの#1「Samon」のアコースティックバージョン#13も凄く良い仕上がり。
鳴り響く魔笛に心の底から歓喜を挙げ、心酔してしまう。Eluveitie自らが名乗る“ニュー・ウェイヴ・オブ・フォーク・メタル”というものの全景が余すとこなく表現された逸品。