2024年に引き続き、2025年に映画館で鑑賞した映画の感想置き場です。2024年は23本でしたが、今年は1週間に1本ペースで年間50本ぐらいを目標に観ていきたいものです。
※ 鑑賞したのが新→旧の順で掲載
2025年に観た映画一覧①
型破りな教室
犯罪と貧困が日常化した地域の小学校に赴任した教師が、型破りな授業で子どもたちを全国トップの成績に導いていく姿を、2011年のメキシコ・マタモロス(アメリカとの国境近く)であった実話を基に映画化したドラマ。
型破りな教室? 生徒が机に座って黒板の方にいる生の話を聞きながら板書するみたいなことはほとんどしていません。図書室に大挙押し寄せたり、校庭でなぜか宇宙のことについて話したり、教室で瞑想したり。確かに授業らしい授業はしていない。その地域のお偉いさんが授業を視察された時に落第判定を受けますし。
そもそもこの主人公教師自体が優秀なわけではなく、前の学校でも著しく評価は低い。そんな彼がすることは生徒たちの学びに対する好奇心を後押しし、間違っても良いから挑戦することを説く。GTOでも金八でも今でしょでもありませんが、落ちこぼれと言われまくった生徒たちが学びに対してポジティヴに変わっていく辺り、なかなか爽快です。
ただその背景にあるメキシコの社会的背景も描く。本作でいうとゴミ山で暮らすほどの貧困、兄がギャング、大家族ゆえのヤングケアラーなど。そういった問題提起をする中でも子どもたちのキャラクターが立っていて、実話ベースのパワーと情熱で観る者を惹きつけます。ラストの試験シーンは胸が熱くなりました。
ちなみに主人公教師役のエウヘニオ・デルベスは『コーダ あいのうた』でも歌の先生をやっていたようですが、観ているのに全然覚えがなかった・・・。
占領都市
1940年5月からの5年間、ナチス・ドイツの占領下におかれたオランダ・アムステルダムが舞台。映像はコロナ禍の風景を映し出す。しかし、この場所で過去にこんな悲劇がありました、と命の大小も悲惨さも関係なく130箇所分を淡々と語っていくドキュメンタリー。自分が観た映画の中で過去最長となる4時間11分もの間、ただただそこで起こった事実を語り続ける。
殺されたや処刑という言葉を100回ぐらい見ますが、重くはありません。映像は現代で過去の映像は使いませんし、悲惨さに拍車をかけることはしないし、ナレーションはずっと淡々としていてドラマチックな抑揚もないです。だから5時間ぐらいの長さに感じました。オススメはしません。ですが、今そこに映し出されている風景はこうした歴史の積み重ねた上にあることを思い出させます。