残響レコードきっての実力派インスト・バンド。確かな演奏力と音の先に浮かぶ風景を見せる。
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アルバム紹介
world tour(2009)
1stアルバム。全9曲約35分収録。ツインギターの鋭利な刃と凄まじい手数で圧倒するドラムが生む緊迫感と爆裂衝動、それと相反する透明感溢れるフレーズが確かに心を鷲掴む必殺の#1から威力十分。
その衝撃は同じ残響レコードを代表するte’の1stアルバム辺りを思わせるぐらいです。前述のようにマスロック然とした音符のぶつかり合いによる破壊と再生から、ポストロックらしい叙情と激情による息を呑む空間構築を隙の無いアンサンブルで持って実現しています。
ヒリヒリするような熱さやひんやりとした切なさ、それに清らかな美しさを肌で感じる内容。それにマスロック系にありがちな無機質な印象も無く、どの曲も深みを持ったドラマティックな側面を持っています。
#2「China」ではタイトル通りに中華風のフレーズを組み込んだり、一段と深い叙情味を帯びた#5「LOTUS」、コントラバスの豊穣なふくらみを生かした#6「眠る」と個性的な一面を表出。
ただ、前半は激しめに、後半は大人しめにといった感じでスパンとテンションが切れてしまう構成はちょっともったいない感じもします。それでも、バンドのレベルの高さを知らしめる作品に仕上がっている。#1『monsoon』はかなりの衝撃度ですんで。
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