2002年に結成された4人組ロックバンド。兵庫県・姫路を中心に活動を続けており、08年に現在の4人組編成へ。
魂揺さぶる日本語ロックが支持を得て、2013年にはフジロックのルーキーステージに出演を果たした。2015年2月には足掛け13年にも及んだ1stアルバム『最高新記憶』を発表。以降も活動継続中。
本記事は1stアルバム『最高新記憶』について書いています。
アルバム紹介
最高新記憶(2015)
結成13年目にして1stフルアルバム。全11曲約51分収録。なんて日(めじ)だ! というわけで兵庫県・姫路の雄、bachoです。
“音楽じゃ食えんよ、そんなに甘くはないよ” “二束三文のmusic” “音楽は逃避行じゃない”」”
『最高新記憶』の歌詞より
“重なる一瞬の日々に輝く一瞬の火花 共に眺め、心震わせようじゃないか”
上記のように日々の生活からアウトプットした生々しい日本語詞に気持ちがとにかく動かされます。等身大の自分達をつつみ隠さず、太陽にも匹敵する熱いエモーションを込めて歌う。これがbachoの一番の持ち味。
音楽的にベースとなっているのは、オルタナティヴ~ポストハードコアという印象だが、eastern youthやbloodthirsty butchersなどにも通じます。一言で例えるならば”魂の音楽”。
”さよならだけが人生さ 孤独だけが最後まで友達さ”」”と言葉を放つオープニング曲#1「さよなら」、地元を舞台に自身の回想を踏まえながらストーリーが展開する#7「高砂」などの人間臭さには、思わず胸を打たれます。
また、繊細なピアノがフィーチャーされた#6「落葉」は異色といえますが(2年前に発表された7inchの時とは、ver違いとなっているらしい)、叙情性が凛と引き立った楽曲で感傷的な気分に浸れるもの。
突飛な表現というのはないのですが、#2「最高新記憶」や#11「孤独な戦い」を聴いていると自分達には音楽しかないという意地と覚悟がにじみ出ているように感じます。
夢にまだ縋り続けることを歌う#10「ドリームドランカー」も切迫感が半端ない。だからこそ、余計にbachoの熱を感じる。とにかく不器用なんだけれども現実に歯を食いしばり、光を求めて踏ん張って生きていく。
その強い想いを宿した1stアルバムです。聴いてて感じるのは、詞やメロディを通じて、リスナー自身も自問自答して奮い立たせられる作品になっているということ。
純粋な感情から生まれただろう”挑戦し、掴みとれ 更新する未来、最高の新記憶”という言葉は、かけがえのない日常とこれからを彩るものとして胸に刻みつけておきたい。
海底(2018)
結成15周年を記念して、再録編集盤をリリース。2009年『求』、2011年『レコンキスタ』の2枚のミニアルバムからライブでもよく演奏される9曲と現在廃版となっている2005年のデモ音源『昇華』から1曲、さらに2015年最高新記憶ツアーのファイナル、セミファイナルで配布された『結実は遠い夢の中』、2013年にリリースした7インチに収録され、アルバム『最高新記憶』ではピアノアレンジされた「落葉」の原曲、全12曲をすべて再録して収録。入手困難な音源を補完しつつ、過去の曲をアップデートした記念の作品。
リリース・インフォメーションより