
スイス・ローザンヌ地方を拠点に活躍するポストメタル5人組。元々はWhen Icarus Falls(2007-2024)というバンドで活動していましたが、この度にメンバーを変えずに名義だけ変更して再始動。本記事は2024年9月にリリースされた1stアルバム『Eternal』について書いています。
作品紹介
Eternal(2024)

1stアルバム。全7曲約39分収録。Magnus Lindberg(Cult of Luna)によるマスタリングということで前もってのお墨付きあり。前身バンドのWhen Icarus Fallsについては全く知りませんでしたが、ちょっと聴いた印象ですとヴォーカル入りのTides From Nebulaのような感じ。それがメンバーはそのままに名義変更する。
性質としてはCult of Luna直系のポストメタルという装いが強めで、迫力のある重低音と冷気を帯びたクリーントーンが楽曲を牽引します。静と動のドラマティックな揺れ動きを信条としていますが叙情性に比重を置いており、#1「Initiatique」から3分未満にも関わらずCOLMAARの特徴を大いに示している。
前身バンドで主要素を担った電子音は本作ではほとんど消え去っていて、代わりに大半の曲で主戦を担っているのはスポークンワード。情熱と切迫感の募るそれは、フランス語詞であることからAussitot MortやSed Non Satiata辺りの激情系ハードコアの雰囲気を感じさせるのもポイント。その歌詞の内容は孤独、意味の探求、宿命といった普遍的なテーマを扱っているとのこと(参照:Bandcamp)。
鈍いベースラインの上をメロディックなツインギターが重なり、昂揚感のあるラストへ向かっていく#2「Ancestrale」、まさしくCult of Lunaの系譜に連なる#3「Implacable」は強力。叙情的なスタイルを常に鎮座させながらもスポークンワードの煽りと美しいトレモロが席巻する#6「Funeste」は感動すら覚えます。
この手のポストメタルを敬愛する者であるならば、間違いなく聴きの作品です。
