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アルバム紹介
Hoping for the Invisible to Ignite(2011)
詩人や映像作家を擁するパリの前衛的ポストロック集団のデビュー作。
物憂げなアルペジオとストリングスが厳かに鳴らされ、シンセや声のサンプリング等を用いながら臨場感のある物語を構築する。さながらGY!BEのように底なしの暗黒に引きずり込まれるような幽玄なサウンド。
それを背に、悲壮感に満ちた女性の抑揚あるポエトリー・リーディングがミステリアスに響くのが特徴です。19分をかけて祝祭の瞬間が訪れる#1は、静と動の起伏を生かしてシネマティックな音像を構築。前述したようにGY!BEを髣髴とさせます。
続く組曲形式の#2、#3では前半の#2で絶望の淵に立たされたようなもの悲しい闇に包まれますが、#3ではまるでExplosions In The Skyを思わせるリリカルな静と動のドラマを展開。この手のファンにはたまらない強い光が降り注ぐ轟音クライマックスは、異様なまでの歓喜に満ちあふれています。
しかしながら、アウトロの如し3分半の#4ではクラシック音楽の重みと深みを持ったピアノの旋律が、ただただ重い余韻を残していく。ハッピーエンドなんて無い、そんなメッセージのように。
予想以上に静と動の起伏があったことには驚いたが、音や声の見事な調和が成す映像性の高い作品は、まるで映画を見ているような感覚。哀しみの底へ行き、呪術的なムードも醸し出し、歓喜へと解き放つ。
やはりGY!BEのように時間の流れを変える魔力を秘めた作品だと思う。本作は、コアな音楽WebzineのThe Silent Balletではレーティング9/10を獲得し、年間ベストアルバム第5位に選ばれるほどの高い評価を得ている。
Gizeh
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