【アルバム紹介】Fuck Buttons『Tarot Sport』

ノイズによる表現力を追求し続けているUKブリストルの2人組。2004-2015年まで活動。片割れはBlank Massとしても活動している。これまでに発表したフルアルバム3作はPitchfork等で高得点を獲得している。また2011年2月には日本版All Tomorrow’s Party、『I’LL BE YOUR MIRROR』にて初来日公演を敢行。

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アルバム紹介

Tarot Sport(2009)

   プロデューサーにアンドリュー・ウェザーウォールを迎えて制作された2ndアルバム。これがエクスペリメンタルな実験精神とノイズを見事なまでの恍惚感へと昇華した秀作です。

 シューゲイザーの領域も懐に入れたギター・ノイズに、光沢あるシンセ、サンプリング・ヴォイス等を交えながら発展を遂げていく彼等のサウンドは、パノラマのような音響空間を築きます。それが実に繊細かつ凶暴な響きを持っており、ジーンと心身に効いてくる。機能性は実に高い。

 しかもプリミティヴな雰囲気、トライバルなビート、しなやかなポップネスを内包しながら鼓膜に迫ってくるところがまた興味を引く。クラウト・ロックやテクノといった他のジャンルへも気を配りながら、細心の手つきで美しいレイヤーを編みあげている。

 1stではドローンにも接近することをやっていたみたいですが、本作を聴く限りではきっちり整理された音像を造形しているように思いますし、ダンサブルかつリズミカルな躍動感があるのでめちゃくちゃノレる。それはもう十二分にフロアで通用するぐらいに。

 なによりカラフルな色彩と迫力のあるノイズの壁を全編に渡って展開しているのが見事。煌くシンセの星空を美しいビートと共に突き進む10分越えの#1から昂揚感高まるトライバル・ビートが凄まじい#7まで全7曲58分とかなりの長丁場だが、聴き進めるごとにトランス感と恍惚感を強めていき、それに伴ってスケールをぐーっと拡げていく表現力の巧みさも魅力的。

メインアーティスト:Fuck Buttons
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