【アルバム紹介】YANOS『Omega』

ドイツ・マールブルグのポストメタル/スラッジ系バンド、Amberの残党を中心に結成されました。まさしくthinking man’s metalな音像を生み出している。

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アルバム紹介

Omega(2015)

 ”Amber is Dead”という言葉を残して消え去ったドイツ・マールブルグのポストハードコア・バンド、Amberの残党を中心に結成されたYANOSの1stアルバム。全6曲約35分。

 スイスの医師であるエリザベス・キューブラー=ロスの著書『死ぬ瞬間(On The Dying )』にインスパイアされて制作。曲もそれに関連する”5つの死の受容のプロセス”を順に表現したものだと推測される。こちらについてはwikiでご確認ください。

 音楽的には、後期Fall Of EfrafaやDownfall of Gaia辺りを浮かべる轟重音系ポストメタルですね。静と動を持ってしてじっくりと展開する点は、前バンドのAmberと共通。ですがさらに哲学的になったという印象を受ける(取り扱っている題材ゆえに)。

 thiking man’s metalを体現した典型的ポストメタル#4「Ⅲ Bargaining」を中心に据え、アルバムを聴き進めていくにつれて精神が摩耗するような構成。スラッジの重量感とクリーンヴォイス無しでひたすらの低音咆哮が肝となっていますが、これが死を受け止める覚悟と悪あがきを表現しているかのよう。

 適度にメロディアスな風情をしのばせているとはいえ、多幸感なにそれ?な感じの暗鬱でヘヴィなサウンドがズドーンと来る人には来るはず。上々の1stアルバム。

メインアーティスト:Yanos
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