シガー・ロスのフロントマン、ヨンシー・バーギッソンのソロ。本隊であるシガー・ロスとは対極を成すかのような華やぎと祝祭の光に満ちた躍動感ある世界へと導いてくれる。本記事は1stアルバム『Go』について書いています。
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GO(2010)
1stアルバム。シガー・ロスと別の世界を目指したそうですが、音楽的に近いのはシガー・ロスのアルバムの『残響』の前半。華やぎを与えるストリングス、郷愁とファンタジーの翼を広げていく管楽器のざわめき、瑞々しさとハッピーな陽気を湛えたビート、中性的なファルセット・ヴォイスで楽曲の情緒を限りなく引き出すヨンシー。
それらが無邪気に戯れながら有機的に強く結びついてシガー・ロスにも負けない桃源郷を形成している。どこまでも開放的で、体中に吹き込んでくる生命の息吹に覚醒させられていく。『GO』という前向きな姿勢がもたらせた、エヴァーグリーンの景観に豊潤なイメージ、そして瑞々しい躍動感。その極彩色の福音が歓喜と祝祭の光が差す温かい時間に浸らしてくれます。
希望と自由を謳歌しながら人々が妖精と共に踊り戯れているところが目に浮かぶ#2は徳に素晴らしい。時折、冷ややかな幻想性や厳かな神聖さが滲み出てくるところも明暗の巧みな落差に繋げている。そこからまた一段上の華やぎやスケール感が伴って音が拡散・弾けていく感じは本当にたまらない。
9曲40分とかなりコンパクトなつくり。地に着いたポップさや温かみを肌でしっかり感じる内容ですが、作品の壮大さはシガー・ロス同様。これ聴いてたらホントに妖精さんの国にいける。幻想の果てから運ばれる幸せ。
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