【作品紹介】OGAHM『Bulbs EP』

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作品紹介

Bulbs EP(2024)

 1st EP。全4曲約32分収録。2022年から始動した”オルタナティヴ・ポストスラッジ”を掲げる大阪の3人組。バンド名はOGAHM:オガムと読みます。メンバーには元NEMU/現SeeKでベースを務める音無氏が在籍しており、彼がメインコンポーザーとして楽曲を制作している模様。

 音楽的には平均約8分の尺をスロウ~ミドルテンポでスラッジメタルが中心軸です。その上でサイケの侵食度合いが強いのが特徴。脳筋野獣スタイルのスラッジ・バンドは多いですが、OGAHMは力の抜けたパートを頻繁に配置しており、余白を活かしながら妖しげな雰囲気をつくりあげています。

 オープニングを飾る#1「Bulbs」からバンドの特色は表れており、静的な揺らぎと動的な重圧の連携を通じて三途の川を渡るor渡らないを逡巡する。時間をかけたグラデーション表現。そして霊が漂っているような薄気味悪さ。例えるなら”彼岸スラッジ”という言葉を当てはめたくなります。

 NEMUが2013年に出した『デート盤』という初期EPを聴いているのですが(本作同様に3LAで10年前に購入してました)、その質感はOGAHMにも受け継がれていると感じます。割礼にも通ずるサイケデリックな風合い、退廃的な歌ものといった部分を残しながらもスラッジメタルの強度や暑苦しさをプラス。#3「A Chair in the Sea」は特にそう感じる楽曲です。またNEMUの頃よりも音像は整理されており、やることもはっきりしている印象があります。

 約90%を占める日本語詞からは、腐敗の中を生き続けなければならない無力感と諦観が漏れる。その表現方法もセリフを読むようなものから読経、たそがれた歌、熱い叫びだったりと様々です。そういった声と演奏の連動が生む涅槃のスロウライフ。#3の歌詞に反論しますが、静かに眠れるわけがない。

メインアーティスト:OGAHM
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MUSIC VIDEO

OGAHM “The Sound of a Distant Bell”(official videoclip)
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