
envy、MONO。私にとっての重要なバンドが共演する。2組の共演を見るのは自分としては、2011年のleave them all behind以来でしょうか(出演はenvy, MONO, Boris)。2018年の恵比寿リキッドルームでの共演は行かなかったし、2019年のAfter Hoursは大勢のバンドが出るサーキットイベントだから少し意味合いが違うし。
さすがにこの2組だけに本日の公演はソールドアウト。ライヴ会場では著名なバンドマンの姿もみかけましたが、当然みんな見に行きますよね。
ライブ感想
MONO

わたしとしては通算15回目のMONO。昨年のオーケストラを引き連れてのワンマンライブ以来です。正直なところ、共演がMONOだからこそ足を運んだのが一番の理由。去年は三国演義を含めて2回体感することができましたが、その機会が日本であるならば1年に1回は彼らの音を浴びたいところ。
「こんばんは、MONOです」 軽快なGotoさんの挨拶からMONOのライヴは始まる。「Run On」~「We All Shine On」と昨年リリースした『OATH』からの楽曲が序盤を飾ります。美しさが引き立つ旋律のひとつひとつ、そして4人の音が混ざり合い、大きなうねりとなっていく様。これぞMONOという時間があまりにも贅沢でかけがえのないもので、「We All Shine On」の終盤は、タイトル通り誰しもに陽が注ぐようなエネルギーに胸打たれます。
続く「Ashes in the Snow」は演奏が始まった途端にひときわ歓声が大きくなる。結果的に本日は持ち時間50分ほど。2~3月のAlcestのゲスト枠でまわったアメリカ・ツアーを下地にしたセットリストとなっていました。まあそれよりも新鮮だったのはMONOがずっと立って演奏していたことだったり(基本的にギター2人はこれまで座って演奏してたので)
「僕たちがリスペクトするバンド、envyの追加公演のゲストで今年も無事に東京でライヴができることを嬉しく思っています。最後に1曲演奏して終わります。またいつか、どこかで必ず会いましょう」
Gotoさんの言葉はMONOが日本公演する障壁の高さを物語っていますが、せめて1年に1度はという思いが常々ある。そんな中で最後を飾ったのは「Com(?)」。7月5日に滅亡するとかいうわけのわからん言説が、現実化するような怒りも悲しみも入り混じった大音量が襲い掛かってきて、未来も過去もへったくれねえ。この轟音に埋もれる。今ここが現実なんだと。
—setlist—
01. Run On
02. We All Shine On
03. Ashes in the Snow
04. Com(?)

envy

のちのMCでもありましたが、1泊3日で向かったモンゴルのPlay Time Festivalへの出演を終えての日本ツアー最終公演。加えてロッキーさんは昼間にheaven in her armsの公演を行ってからのダブルヘッダー。その疲労もハイな精神状態なら関係ないのか。というぐらい研ぎ澄まされたライヴでした。
いきなり「Chain Wandering Deeply」で始まったのは意表を突かれましたが(最新アルバムのツアーだし)、逆にぶち上ったのも事実。叫び。旋律。轟音。そんな単語ひとつで切り取れるものではないですが、6人による音の連なりは人間の孤独に寄り添い、奮い立たせるようなパワーがあります。envyも、先ほど出たMONOも先人として切り拓いてきた存在だからこそ、誰も見てない景色を見てきたからバンドだからこその繊細さと強さを持っている。
ライブはもちろん『eunoia』がセットリストのど真ん中。加えて6人となった新体制以降の楽曲が大半を占めていることが、envyが現在を突き進んでいるバンドだということを示しています。途中、「僕は(MONOの)Gotoさんのことを兄貴だと思っていて、困ったときは会ってよく相談にのってもらっている」と話してたのは驚きましたが。そういえばGotoさんの方が年上なのか。
Achikoさんを迎えての「Rhythm」、レコーディング帰りに僕が一番後ろを歩いているときにみんなの背中を見て書いた歌詞だという「January’s Dusk」という本編最後2曲は特に感動的でした。3月の名古屋公演は「Rhythm」なかったですしね(セットリストも少し違う)。
envyは8月から3週間にわたるヨーロッパ・ツアーへと出向く。その最後3本を滝さんがRISING SUN ROCK FESTIVALへ出演するために欠席するため、代役を務めるcinema staffの辻くんがアンコールで登場。ギター4人編成で「狂い記せ」と「さよなら言葉」を披露。envyの深川さんも河合さんもダイブで客席に飛んでくる。まさに興奮のるつぼ。「さよなら言葉」が終わると、ステージもフロアも完全に燃え尽きたみたいな状況が微笑ましかったです。
MONO。そしてenvy。25年、30年を超えて歩み続けるバンドであり、世界を股にかけて活動するバンド。また日本でも共演して欲しいですね。その時は見に行くんで。
—setlist—
01. Chain Wandering Deeply
02. Piecemeal
03. Imagination and Creation
04. Footsteps in the Distance
05. Whiteout
06. Beyond the Raindrops
07. Lingering Light
08. Lingering Echoes
09. The Night and the Void
10. Hikari
11. Dawn and gaze
12. Rhythm(with Achiko)
13. January’s Dusk
–encore–
14. Go Mad and Mark
15. Farewell to Words



