【作品紹介】Codespeaker、モノトーンの色調を持つ痛切なポストメタル

 スコットランドの首都であるエディンバラを中心に活動するポストメタル系バンド5人組。”Bruising post-metal(おそらく痛切なポストメタルといった意)”を掲げて活動。

 本記事は2022年11月にリリースされた1stアルバム『Codespeaker』、2024年11月にリリースされた2ndアルバム『Scavenger』の2作品について書いています。

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作品紹介

Codespeaker(2022)

 1stアルバム。全9曲約45分収録。前提として2ndアルバム→1stとさかのぼって聴き、書いています。次作のインタビューで”1stアルバムには怒りと同時に、人間の経験に対する温かさと驚きがあった“とコメントしていますが、クリーンボイスがやや多いぐらい。

 この1stの時点でCodespeakerは、モノトーンの色調を持った重厚なポストメタルとして確かな存在感を放ちます。Bosskの2ndアルバム『Migration』を思わせる雰囲気に加わる怒りの咆哮。メロディを中心とした緩和の要素は最小限にとどめている印象があり、生温さは感じません。あくまでフィジカルなバンドとしての姿勢を貫いています。

 また1曲平均5分と同系統に属するバンドと比べて短めに設定されているのもポイント。静と動を大らかに行き交う形ではなく、もっと小回りを利かせながら動く感じ。ただその中で重量感と思慮深さを連合軍として引き連れていくのを忘れていません。

 内臓を蹂躙するリフ攻撃が炸裂する#2「Dagon」にしろ、ISIS(the Band)の性質を引き継ぐ#3「Fraktur」にしろ、クリーンボイスに焦点をあてた前半からブラックゲイズのサウンドへと変貌を遂げていく#7「Vrodi」にしろCodespeakerの出力の高さは証明されています。デビュー作にして揺るぎないものを感じさせる。

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Scavenger(2024)

 2ndアルバム。全8曲約45分収録。Facebookページに掲載されたリリースコメントには”1stアルバムには怒りと同時に、人間の経験に対する温かさと驚きがあった。『Scavenger』にはそのような温かさはない。本作は権力構造の欠点と、その矛先を向ける人々の闘いに焦点を当て、真の代替手段がないことを嘆いている。無力な人々への頌歌(しょうか)であり、この時代にふさわしいテーマだ“と述べています。

 クセではなく圧がスゴい。CodespeakerはCult of Lunaの流れを汲むポストメタルを特徴に持ちますが、より硬質でモノトーンの色調が目立ちます。現存する中で近い存在はBosskなんですけれども、音の質感的にはヴォーカルを入れたOmega Massifみたいな印象を受ける。その昔にDenovali Recordsが出してたポストメタルのライン。こう言うと伝わる人には伝わると思います。

 重量感で破滅を運ぶリフを持ち、アンビエントと時に同盟を結び、スラッジメタル由来の野獣系咆哮が延々と続く(多少のクリーンVoはある)。ひたすらに威圧的で険しい。絶望感の強いThinking Man’s Metalと化していく#3「Rescission」を始め、終末的なトーンが全面を覆っています。

 それでもメロウな瞬間も溶け込ませており、Explosions in the Sky系のポストロックの配合比が高い#7「Karst」のような曲も存在。また#1「USUD」では生得権、#8「Verte」は犠牲による概念を見つめているとのことですが、ダイナミックな音像と共に社会的な問題に踏み込んでいる。畏怖を覚える重低音と理念の建造。

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MUSIC VIDEO

Codespeaker – “Verte” (Official Video)
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