【アルバム紹介】Constants、甘美で空間的なヘヴィサウンド

 USマサーチューセッツ/ボストンのオルタナ/ポストメタル系バンド。”The Appleseed Cast meets ISIS” 、”Cave In 『Jupiter』の再来”と比喩されるサウンドで一部話題になる。

 2010年に発表した3rdアルバムではJustin K Broadrickがプロデュースを務めました。2012年に発表した新作『Pasiflora』ではシューゲイザーに挑戦するなど、新たな側面も見せました。現在、メンバーは同郷のCaspian, Juniusらのメンバーと共にポストメタル・バンド”SOM”をやっています。

 本記事は3rd~5thアルバムまでの計3作品について書いています。

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アルバム紹介

The Foundation, The Machine, The Ascension(2009)

    3rdフルアルバム。全12曲約57分収録。”Cave Inの『Jupiter』の再来”とも評されているサウンドは、天空から降り注ぐようなギター・サウンドが白眉。エコーをかけた柔らかな歌い回しや出身であるボストンのハードコア譲りの力強いリズムが特徴です。その混成が楽曲に圧倒的なスケール感を加えていく。

 その合間を駆ける美しいメロディや心地よい浮遊感がスペーシーな佇まいを強調。ヘヴィだけども空間的。甘美な音のヴェールを築き上げる様は、歌い方も含めてまるでJesuを髣髴とさせます。

 その上でもう少し歌ものとしての表現力が生きているのが彼等の特徴。Jupiter~Antennaの頃のCave InとJesuの良さを併せ持ったと表現しても差し支えないでしょう。同じくボストンのISISから受け継いできたグルーヴの強靭さがしっかりと軸を支えているのも良い。

 タイトル通りに「The Foundation」~「The Machine」~「The Ascension」という三部構成でスケール感と恍惚感を深めていく流れもバンドの資質に合っています。

 アトモスフェリック~ポストメタル~ヘヴィ・シューゲイズ等を内包したこの音は、多方面に揺さぶりをかけるインパクトを持っている。

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If Tomorrow The War(2010)

   4thアルバム。全8曲約38分収録。バンド所有の太陽光の電力だけを使ったスタジオで録音されたという環境で制作されましたことも話題の作品。

 ジャスティン・K・ブロードリック先生(ex-Godflesh、Jesu)プロデュースのもとで鳴らされる轟音シンフォニーは前作以上。このコラボがバッチリとハマっている事を#1のイントロの轟きから実感します。

 同じボストンの雄・Cave Inの持つハードコアの荒々しさと美しさを研ぎ澄まし、Jesuばりの轟音ウォールを造形して聴き手を圧倒。艶やかなヴォーカリゼーションも変わらずにスッと耳に入ってくるし、カオティックな絶唱も時に炸裂。

 さらにはアトモスフェリックなパートやエレクトロニカっぽいアプローチも自在に使い分けており、緻密になった構成で作品全体を聴かせています。

 その波動のような轟音といい、メロディの美味といい、かなり熟成してきたなあという印象を受けたし、バンドとして一本太い芯が通っている事を感じさせる。Jesuから受け継ぐ重厚さと浮遊感の同居した音像、差しこんでくる光に包み込まれるような感覚は、ジャスティン先生指揮下のもとでさらに強力になった1枚。

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Pasiflora(2012)

   5thフルアルバム。全10曲約38分収録。初聴時はConstantsなのか?と疑ってしまうぐらいにシューゲイザーへ挑戦した内容。

 先行で試聴できた#1「Sunrise」からマイブラを思わせる甘美なメロディが心地よく鼓膜の中で鳴る。さらに#5「Beautiful」ではマイブラの「To Here Knows When」を強烈に意識している印象。

 これまでの作品でもJesuと比較されるようにシューゲイザーが頭を掠める部分があった。だが、ボストン人脈らしいポストハードコア~ポストメタルの重厚な音壁が立ちはだかっており、その要素は大きくは目立たなかった。

 鮮やかな電子音が見事な装飾を施し、輪郭のぼやけたヴォーカルがJesuっぽい轟音ギターとともに揺れるそのサウンド。それが短期間でここまでの武器として昇華してくるとは驚きである。

 どこを切り取ってもシューゲイジング・オンパレードの作品として仕上がっています。加えて、エレクトロニカ/アンビエントに流れる場面もあり。けれども、ボトムの力強さが健在している辺りはボストンの洗礼を受けた人たちなんだという喜びもあります。

 海外だと”JesuとM83の合体”、Nadjaのように”ドリームゲイズまたはメタルゲイズ”とか表現されているみたい。とはいえ賞賛の声が多い。

 これまで以上に際立ったメロディ、そしてシューゲイザー再評価も相まって関心を集めそうな1枚。インパクトは予想以上に大きい。

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