【アルバム紹介】Resoe『The Black Void of Space』

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アルバム紹介

The Black Void of Space(2011)

   アーティスト/DJであり、Baum Recordsのレーベル・オーナーであるデニス・アップロックによるプロジェクト。本作がデビュー作。北欧ミニマルダブレーベルECHOCORDからリリース。Basic Channelを想起させるディープなミニマル・テクノと近年隆盛を誇るダブ・ステップの混合物といった慎重かつ大胆な作風が耳を引く。

 静謐かつミニマルではあるがグルーヴィに攻め、シンセ/エレクトロニクスが精微に色味を添えながら、巧く躍動感ある仕上がりと繋げている。特に深遠な奥行きを広げるダビーな音処理に、芯の太い低音リズムが規則的に刻まれる感じは前述したようにBasic Channelっぽい。

 薄靄が広がる音磁場にうねるような躍動感が伝わってくる#1辺りにその影響が垣間見れる。そんなディープなダブ・テクノに重きを置いているとはいえ、ダブ・ステップの領域に侵入を試みた曲やフロア用に開けた曲も随所に登場してきて、多要素も含みながら彼なりの美学に基づいてストイックに音を足し引きしながら楽曲は構築されています。

 パーカッシヴなリズムを用いながらシンセが浮かんでは消えていく余韻が楽しめる#3、本作でも一番メロウな味わいある#6、2562辺りが浮かぶキレイめな音使いと躍動感に揺さぶられる#8等、曲は粒ぞろい。

 ジャケットの様な美しさはないが、抑性の効いたトーンで海に沈んでいく様な感覚と空間を静かに揺らがせながら脳を覚醒させる作用があり、聴き応えは十分。12曲74分とボリュームも充実しまくりの一枚。

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