【アルバム紹介】Trainwreck『Of Concrete Canyons And Inner Wastelands』

EAVES、GLASSES、THE TIDAL SLEEP、ENGRAVEのメンバーで構成されたポストハードコア・バンド。2005年結成。それ以来、フルアルバム3作を発表。2010年には来日ツアーを敢行しています。

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アルバム紹介

Of Concrete Canyons And Inner Wastelands(2009)

 

ドイツの激情系ポストハードコア、2ndフルアルバム。本作で初めて聴きましたが、一気呵成に攻め立てるこのアンサンブルはスゴいです。本国はもちろんのこと、その名を世界に轟かせるだけの力を持った激音が次々と放出される。

 軸となっているのはHis Hero Is Goneに影響を受けたと思しき、クラスト系の破壊力あるサウンド。怒涛の疾走と銃弾のようなリフと悲痛な絶叫の連続。

 #1「Less Than Nothing」から鼓膜が悲鳴を上げ、#2ではさらに鋭さと強靭さを増したリズムに引っ張られて各パートの攻撃性が引き上げられていく。この曲のリフの激しさときたら、散弾銃にも匹敵するほどです。

 Daitro辺りの激情系はもちろんのことだが、その重く分厚いギターからはスラッジからの影響も垣間見える。また激しいとはいえストレートに伝わってくるのも特徴です。

 それからも終わりなき激音はさらに加速を続け、緩急を織り交ぜながら激情の宴を奏でる#6や猛然とラッシュを仕掛けて打ちのめす#7を挟み、全8曲で本作は締めくくられます。

 エモーショナルなメロディを聴かせることは聴かせているし、前述したように曲によっては緩急も巧みに利用してくるのだが、そんな甘さは極力抑えて攻撃的に振る舞う。

 破裂する感情、焦燥感に満ちた叫び、止まらぬ暴虐の音。これは自らの確固たる音楽性を存分に示した強烈作。

メインアーティスト:Trainwreck
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