【アルバム紹介】BAROQUE『sug life』

オサレ系の代表格とされるヴィジュアル系ロック・バンド。2001年~2004年、2011年~2020年まで活動。ミクスチャーやシューゲイザーといった要素を押しだしたサウンドは当時のシーンでは異色で、1stアルバム『sug life』はそれらをスタイリッシュにまとめあげて話題になりました。活動再開以降も独自の美学を持った曲を送り届けていましたが、2020年に活動を停止。

本記事は1stアルバム『sug life』について書いています。

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アルバム紹介

sug life(2004)

 1stアルバム。全14曲収録。当時のヴィジュアル系シーンにとっては珍しいほどミクスチャー・ロックであり、シューゲイザーである作品で、00年代のV系を語る上で重要な作品とされています。

 序盤はヒップホップやエレクトロ等へ意識が強く向いたミクスチャーで、シングルである#3「ガリロン」を中心にアッパーな曲調で攻勢をかけます。

 スクラッチやラップ調のヴォーカル、それに打ち込みがヴィジュアル系に挑戦的で挑発的な態度を取る#4「歪」には感心を覚えるほど。ラフな感覚でポップさを加味したミクスチャーに仕上げています。

 中盤からはもう一つの醍醐味であるシューゲイザーの要素が顔を出してくる。儚げな歌声の裏でノイジーなギターが響きわたる#6「ヒトのイロ」、甘美なメロディと柔らかな浮遊感に包まれる#7「exit」、本作でも特に胸を打つバラード#12「キャラメルドロップス」などはその筆頭。ドリーム・ポップにも連なる温かさと心地よさが、作品に沁み渡っています。

 ドラムンベースも飲み込んだ鋭利な感性と軽やかなポップ感の融合が光る#10「nutty a hermit」や#13「グラフィックノイズ」辺りもおもしろい。

 当時、重低音産業に染まってきていたヴィジュアル系シーンに対し、シューゲイザーを軸足に各ジャンルの旨味をスタイリッシュに上手くまとめあげた作品として今でも愛されている1枚。

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