インディーロックの重要バンド、Deerhunter

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 アメリカはアトランタから出現したガレージ・サイケ・シューゲイザー4人組、Deerhunter。2007年初頭に発表した2nd『Cryptograms』、そして2008年10月に発売された3rd『Microcastle』はいずれも米メディアのPitchforkにて高得点を記録。その後の作品もいずれも高評価を連発しています。また、メンバーはAtlas SoundやLotus Plazaといったサイド・プロジェクトでも活躍。本記事はフルアルバム3枚について書いています。

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Microcastle / Weird Era Continued(2008)

 3rdアルバム。ボーナスディスク『Weird Era Continued』付の豪華2枚組。本作は、甘くノスタルジックなメロディを基調としたシューゲイズ+インディーロック。そこにガレージやサイケ、アンビエントといった要素が脇を固めて彼らにしか成し得ない作品になっています。前半はコンパクトに仕上げた柔和なポップスの連発。冒頭を飾る#1「Cover Me(Slowly)」が”夢の中へ、さあおいで!”といった感じで意識をマイクロキャッスルへ引き連れていきます。そして、ラスト4曲のインパクト。それは、心を擽るメロディを鳴らしながら疾走する#9や艶やかな#11、一気にフィードバックギターで爆発するラストの#12など濃い曲が並んでいるから。心に平穏をもたらす前半から後半に向け、どんどんと濃くなっていく世界に惹かれます。傑作と各地で謳われているのも納得の作品。なお本作はPitchforkで10点中9.2点を獲得し、Best New Musicに選ばれています。

Halcyon Digest(2010)

  4thアルバム。危険な香りと時にポンと弾ける甘さを内包しています。ニューゲイザーとも評された、甘美でたおやかな音像から比べると、本作ではフィードバック・ノイズはやや控えめ。けれども、深海の中にいるようなサイケデリア、感傷的でデリケートなメロディは健在。ミステリアスな浮遊感や柔らかなポップ感覚と共に聴き手の心身を優しく刺激。繊細にたゆたう歌声、波のように押し寄せるギター、ゆったりしたリズムが有機的に混じり合い、メロウで陶酔的な世界を創り上げている。ポップとサイケ、この両軸を高いレベルで結晶化できるセンスをみせ、脳内にお花畑が咲くような不思議なトリップ感が襲う。程よくローファイでインディ臭を漂わせ、牧歌的なタッチによるノスタルジックな質感、シューゲイザー的アプローチを生かした奥行きのある空間創造といった繊細な音像を汲み上げる手腕も素晴らしい。死と向き合って制作されたということで浮かび上がる生に対する美しさも格別。

Monomania(2013)

 5thアルバム。気付かぬうちにいつの間にか5人編成となっておりました。本作は現実から離れていくこれまでの音楽性から、ガレージ~ロックンロールの要素が強まっています。ノスタルジックなメロウさやサイケ感、独特の浮遊感を引き継ぎながらアレンジ。Atlas SoundやLotus Plazaなどのサイド・プロジェクトも含めて”変容していくバンド”とリリースを重ねるごとに感じていました。60’s~70’sっぽい懐かしい感触を持った#4「Pensacola」やシンプルながらも味のある#6「Blue Agent」、軽やかな疾走感を伴った#8「Sleepwalking」等を交えながら、作品の印象はストレートに。それでも、一癖ある作風に落ち着かせる辺りが彼らしい。とはいえ、極端に歪ませたギターやエコーかけ過ぎのヴォーカルなどの悪戯心に満ちた#2「Leather Jacket II」や表題曲である#10「Monomania」辺りを聴いてると、相変わらずぶっ飛んでると思うし、#3「The Missing」のように今までの作品に入ってそうなメロディアスな曲がやっぱり一番好きだったり。懐の深さを見せる内容になっています。

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