2004年から2016年まで活動したヴィジュアル系バンド。バンドコンセプトは”男魂”。活動休止までにフルアルバム6作を発表。ミクスチャー系サウンドを得意とし、海外からも注目された存在。
2008年以降はヨーロッパを中心とした海外ツアーを行うようになり、2016年の解散までに5度の欧州ツアーを成功させています。
2022年に再始動。シングル『engrave』を発表しています。本記事は3rdアルバム『MUSIC』について書いています。
アルバム紹介
MUSIC(2008)
3rdフルアルバム。全12曲約35分。プロデューサーは前作同様にMUCCのミヤ氏が担当している。本作で彼等の作品は初聴。ヴィジュアル系の中では異色なぐらいにゴリゴリのヘヴィネス&ミクスチャーに傾倒しております。
ドラムンベースやスクラッチ、プログラミングを取り入れつつグルーヴを重視したサウンド。そこにまくし立てるようなラップとスクリームが入ってくることで、即効性の高い快感作用が働く仕上がりです。
THE MAD CAPSULE MARKETSやLIMP BIZKITを思わせるミクスチャーからラップメタル、ENTER SHIKARI的なエレクトロニコアを豪勢に盛り付けており、派手な装色と軽いノリでイケるってのが最大の特徴といえます。
#1「-INTRO-」を抜けてからの#2「「Break Down」~#6「evolution」までのブチあげムーブは半端ないって!と言わざるを得ません。
後半の#8「puzzle」や#11「イシュタル」にてメロウな側面が表出するも、流れを止めることはなく重心の低いグルーヴでフィジカルに訴えてきます。
歌詞に関してはオラオラ系+体育会系の暑苦しさ+ヒッポホップの親に感謝的なものたちの混成。ストレート過ぎる表現がチャラついたサウンドとミスマッチではあるが、不思議とはまっています。
#6「evolution」のトランス系で”周りなんて興味はねぇ 上げてけボルテージを 俺等は己貫け 今だRevolution”と歌うぐらいの堂々っぷりですからね。
”俺の中でミクスチャー系がアツかったんですよ。で、バンドにどう混ぜ込もうか、どうやったらヘヴィネス感を残しつつチェケラッチョ感を上手く伝えられるか(笑)“
という言葉を激ロックのインタビューで残していますが、ヴィジュアル系という括りに抗い、壁をぶち壊してなんぼだからこそ、突然変異的にこんなアルバムが生まれてくる。V系によるミクスチャーロックの最適解のひとつ。