deadman ‐‐Review‐‐

名古屋の4人組ロック・バンド。ヴィジュアル系に属しつつも、オルタナティブ・ロックやグランジを大胆に取り入れた音楽性で稀有な個性を放った。2006年をもって活動休止。

レビュー作品

> in the direction of sunrise and night light > no alternative


deadman02

in the direction of sunrise and night light (2005)

 ベーシストの交代をはさみ、約2年ぶりとなる2ndフルアルバムにして現時点でのラスト作。前作と比べると非常に渋味が増していて、さらにソリッドで枯れた音色へ。ツインヴォーカルの掛け合いとヘヴィなリフがのたうつオープニング#1「star baby」で90秒間ぶっ飛ばし、妖しくも煙たいミディアムチューン#2「rip roll soil」にてアダルトな陶酔を誘う。ヴィジュアル系的な側面とオルタナ/グランジ側面のバランスが良かった前作から、ここまで後者に比重を置いた作品になるとは驚く(ガレージっぽさもあり)。眞呼様のヴォーカルを除くと、砂埃舞うギターリフを中心に洋楽色を強めているのは明らかだろう。また、全体を通すとメロディアスな部分を削いでおり、毒味と渋味が渦巻きながら身体と精神にピリッとした痺れをもたらす。しかしながら、#4「when the saints go marching in」や#6「additional cause for sorrow」の温かいメロウさ、また#7「follow the night light」の陰鬱でロマンティックな曲調は彼等でしか成し得ない。シンプルに聴かせるように落とし込みつつ、deadmanの個性はより強固になっている。全てを悟ったかのようにも感じられる物憂げなバラード#11「This Day. This Rain.」での壮大な締めくくりは、ヴィジュタナティヴ(V系+オルタナ)な最終到達点。個人的にはこちらの方が好みです。


deadman01

no alternative (2003)

 2003年リリースの記念すべき1stフルアルバム。入手困難となっていたが、音質を向上させた『no alternative 2.0』として再発され、現在は一般流通中である。しかし、no alternativeのタイトルに似合わず、凄くオルタナティブな音楽である。グランジ成分もかなり濃厚。それでいてゴシック寄りの耽美なメロディが有機的に絡み、詩が編みあげる世界観もヴィジュアル系特有の雰囲気である。中心となっているのは、ロウからファルセットまでを優雅に歌いこなすVo.眞呼様。重たい闇を一心に背負って解き放つようなそのパフォーマンスは、deadmanとしての個性の強さに寄与している。また、アヴァンギャルドな展開で目まぐるしく曲調を変える中で、いい意味のコミカルさや猟奇性がフォーカスされているのもポイントであり、重い闇と悲壮感に取り込まれているような感覚も凄い。かと思えば、ポップな部分にもフォーカスを当てることも忘れてない。妖しげな毒味と切ないメロウさが両立する#2「盲目の羽根と星を手に」や#6「ドリスからの手紙」など前半は聴かせる曲を配置し、#9「lunchbox」や#12「alice」を中心に後半はエンジンかけてアグレッシヴに攻める流れの良さも本作の特徴。まるで救いが見えない#14「蟻塚」のラストに至っては、しんみりと重い重いどん底へ。ヴィジュアル系と呼ばれる中でも、稀有な個性を発揮した傑作でしょう。ちなみに再発盤では歌やギターソロに一部録り直しあり。

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