DECAYS ‐‐Review‐‐

DIR EN GREYのギタリストのDie、MOON CHILDのドラマーである樫山圭を中心とした音楽ユニット。2015年夏に本格的に活動を開始し、2016年12月に1stフルアルバム『Baby who wonders』をリリース。


Baby who wanders(通常盤)

Baby who wanders(2016)

 THE NOVEMBERSの小林さんが外れ、シンガーソングライターの中村中さんやヴァイオリニストのAyasaさん等を正式メンバーに加え、6人編成で制作された1stフルアルバム。わたくしはDECAYSお披露目ツアーの名古屋公演(2015年8月)で一度拝見しましたが、その後はご無沙汰です。音源を通して聴くのは本作で初。

 ライヴで観たときにDECAYSはここまでポップなのかと驚いたものです。90年代のノスタルジーを香らせるポップネスは、エキゾチックでダークな世界と良好関係を築きます。その基となるメンバーの個性をそれぞれ明確に投影。前田敦子ばりの絶対的エースであるDieさんは、持ち味のカッティング・ギターに驚きの端正なヴォーカル(オートチューンも使う)で中核を担う。中村中さんは少年のような表情から色気・妖艶さまでの様々な色をその歌声に宿し、共鳴。Ayasaさんはバランスを踏まえつつ、情熱的なヴァイオリンで要所要所にインパクトを与えます。それらが樫山監督の総指揮のもとで不思議なケミストリーをみせており、リード曲となる#3「愛と哀を遺さず…」は特にメンバーの個性を感じさせる形で凝縮しています。

 #2「Zero Paradise」や#11「Rana」のようにドがつくほどのポップな疾走曲、かと思えば妖しくドゥーミーな#4「Drifting Litter」、これまた妖しいギターの音色に中村中さんの色っぽいヴォーカルとヴァイオリンが映える#6「Vegabond」等で楽曲の振り幅を広げる。小林さんがいた時はもっとシューゲイザーが濃い印象がありましたが、バリエーション豊かな曲を揃えることでそれを中和。そして、初期から引き継いだデジタルの要素と丁寧に折り合う。#8「シークレットモード」から#9「HELLO! NEW I」における4つ打ちダンサブルロックの流れもまた、自分たちらしさに昇華しています。

 ある種の浮世離れした闇の世界から、身近な日常までたくさんの景色をみせる全13曲。濃ゆいメンツの集合体ではありますが、各々の音を過不足なく適切な場面で奏でる。Dieさんと樫山さんによるポップの境界線のジャッジは上手く、それに伴った個々の柔軟な活かし方がなされていると思います。新鮮な衝撃があった1枚。

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