nuito ‐‐Review‐‐

京都発の超絶技巧派コンテンポラリ・マスプログレッシブトリオ。一言で表せば、”とてつもない”です。


Unutella

Unutella(2009)

    「凛として時雨好きは必聴ですよ。」と読者の方に言っていただいたのを機に手に入れた京都発のマスプログレッシヴ・トリオnuito(ヌイト)の7曲入り1stフルアルバム。

 スペーシーな導入部が緩やかに過ぎ去ると、予測不可能な嵐の時間がやってくる。何ですか、この人達。和製Hellaですか?と聴きたくなるぐらいに超絶バカテクの応酬。タッピングを駆使したテクニカルなプレイとメロウなフレーズを自在に操るギター、そのギターにバトルを挑むかの如く動きまわり、時にはファンキーなスラップも飛び出すベース、乱れ打ちといえるぐらいの手数とスリリングな躍動を感じさせるドラム。それらを始めとして自分達の持つ可能な限りの引き出しを使って、疾風怒涛・複雑怪奇な世界を創り上げている。

 マスロック・ポストハードコア通過後のサウンドであることは間違いないところだが、猛々しいウネリと空間を揺らぐような叙情といったパーツをパズルのように組み合わせ、目まぐるしいまでの転調に次ぐ転調でその姿を変遷。グイグイと引き込み、鮮やかに切り裂くその様にどうしようもなく圧倒されます。展開は巧みっていうよりは結構強引かつ実験的に感じられるのだが、電光石火の如き音符の交わりと瞬間瞬間を薙ぎ倒す荒ぶる衝動性は問答無用の説得力がある。5分超の4つのナンバー(#2,#4,#5,#7)は、いかにこのバンドがテクニカルで先鋭的かを物語っているといえるだろう。楽器の熾烈かつカオティックな鬩ぎあいがもたらす全体のイメージは極めてストイックで硬質。だが、凪いだ海を思わせる静寂とシリアスな艶かしさが緩和をもたらしている場面やラディカルな音響処理を施している場面もあって、どことなく和の煌きを肌で感じたりも。

 ただ、アンビエントな側面を見せる#3の静けさ(といってもラストに轟音ポストロックと化しますが)が若干浮き気味に思えるし、どこに向かって終着しているのかもわからないのだが、マス・ロック好きは抑えておいて損はないかと思う。中身は壮絶ですから。

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