Zombi ‐‐Review‐‐

マルチ・プレイヤーのSteve MooreとA.E. Paterraの二人によるプログレ・インストゥルメンタルユニット。2人だけでベース、ドラム、シーケンサー等の打ち込み音全てを構築しているのが恐ろしい(ライブではどうしているかは知りませんが)。ニューウェイブの要素も入り混じった壮大なスケールをもつ楽曲が特徴的だ。2007年11月のEXTREME THE DOJO VOL.19でJesuとともに初来日を果たす。ちなみに名前の由来はイタリアン・ロックの雄GOBLINの“Zombi”から拝借しているそうだ。


Spirit Animal

Spirit Animal(2009)

    名前だけならRelapseに所属しているのも納得いくプログレ・インストゥルメンタルデュオZombiの約2年半ぶりとなる3rdアルバム。本作では前作の後半の曲で見せた薄闇に広がっていくようなシネマティックな世界観が強まり、10分越えの曲が三つも(そのうち一つは17分30秒にも及ぶ)収録されるなど大作志向が強まった作品になっている。クラウト・ロックをより意識的に蘇らせた感じ仕上がり。どっしりと響くベース・ドラムによる変拍子を取り入れたマス的なアプローチに、アナログシンセを多用したミニマルな展開でじわじわとサイケなエキスを注入していくのは相変わらずで、ほんのりと柔らかく濃厚なサウンドスケープがスペーシーに広がっていく様は実にZombiらしく独特の味が出ている。それは例えるなら、ホラー映画のサントラみたいな深淵たる黒き光を放っているようなもの。加えると本作では、起伏と落差がある長尺な曲が多いので、荘厳で壮大なスケールアップが図られているといえるかも。その極みともいえる、鮮烈な深宇宙に放り出されてしまう#5「Through Time」は印象度が高い。けれども、個人的には全体から感じられる空気にあまり酔えなかったのでいまいち本作には乗り切れず。彼等の場合は前作で言う「Degitalis」みたいなエレクトロニカ・テクノ色が強い方が好みかなあと。


Surface To Air

Surface to Air(2006)

    雄大な大地を俯瞰するようなジャケット写真、銀河系を自由に行き交うような音の遊泳、ニューウェイブ風の電子音が執拗なまでのリフレインされる壮大なアンビエントミュージックであります(全5曲約44分)。サイケテイストの強い独特のクセのある電子音がとにかく耳に響いてきますが、シンセが広大な空間を優しく縁取って広がりをきかせるような対比的構図となっている。その分、ベースとドラムはその音に隠れてしまっている印象を受ける。

 挨拶代わりにZombiの音楽を知らしめる4分台の#1,#2で鮮烈な印象を与えれば、残りの長編の3曲でさらにディープな世界へと導く。特に18分を越える#5では映画のサントラのような荘厳なサウンドの前半から一転して後半は脳内に繰り返し描かれるデジタルミュージックの螺旋階段。完全に未来を先取っているサウンドと言えるでしょう。プログレテイストの楽曲構成ですが、ニューウェイブ色の方が強い感じ。宇宙の片隅で地球をコントロールしちゃってるような作品であり、ジャーマン・ロックやクラウトロックへの意識を向けている事が伺える姿勢もまた惹かれる要素となっている。

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