【ライブ記録】2008/05/09 EXTREME THE DOJO VOL.20 SPECIAL @ 名古屋クラブクアトロ

 EXTREME THE DOJOが開催20回を迎えるということで記念にふさわしいアーティストが出そろいました。At The Gates、Dillinger Escape Plan、MAYHEMというヘッドライナー級3つにPIG DESTROYERとInto Eternityを加えたスペシャルな夜。

 絶頂期であった1996年に解散してしまい、多くのファンを悲しませたAt The Gatesが2008年限定で活動を再開。その再結成一発目のライブがここ日本ということで見に行かなきゃ次はないと思い、足を運びました。

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ライブ感想

Into Eternity

 多くの猛者どもが待ちわびていた今日のドージョーのトップを飾るのはInto Eternityである。エクストリーム・プログレッシヴ・メタルといわれている通りの激しさを持ち、デスヴォイスやヘヴィなギターリフを軸に展開。その上でサビではハイトーンのヴォーカルと美しいメロディが顔を出し、そのギャップで魅せてくれました。

—setlist—
1. Diagnosis Terminal(新曲)
2. Out
3. Severe Emotional Distress
4. Nothing
5. Surrounded By Night
6. Splintered Visions
7. Timeless Winter

PIG DESTROYER

 続いてのピッグ・デスロイヤーは4人編成のグラインド・コアバンド。ただ、ベーシストがいないことに驚く。変わりにサンプリング担当がおり、ベースがいないといっても音は十分に厚い。ここに集まった猛者どもを蹴散らすだけの攻撃性と俊敏性を兼ね備えていた。グラインドコアらしい激しさと荒々しさ、勇猛さ。良い意味で洗練されて音楽的で、30分という短い時間は瞬く間に過ぎてしまい、気づいたら終わっていましたね。

—setlist—
01. Hourglass
02. Trojan Whore
03. Naked Trees
04. Loathsome
05. Death Tripper
06. Rotten Yellow
07. 4th Degree Burns
08. Alexandria
09. Pretty in Casts
10. Thumbsucker
11. Piss Angel
12. Cheerleares Corpse
13. Terrifyer

MAYHEM

 3番手に登場はギタリストの脱退騒動で来日も危ぶまれたメイヘム。ステージ真ん中に置かれた地球儀、そしてその両脇にはろうそく。これだけで言い知れぬ悪寒が背中を走ったが、追い討ちをかけるように、魔術師のような姿をしたヴォーカルが登場。危険・・・その予感は現実になる・・・。

 楽曲はブラックメタルらしく負のエナジーに満ちたものであり、一面を漆黒に染め上げるような邪気に満ちていた。ファストな曲ではとことん激しく、ミドルテンポのナンバーはおぞましい。それに拍車をかけるのがヴォーカルの際どいパフォーマンス。ろうそくで自分の手を炙ったり、グラスに入ってた液体を地球儀にかけたりと恐怖を覚えるものばかり。

 奇怪な雰囲気、異様な空間をつくりあげていました。しかし、ラストの曲が終わったところで「ありがとう、なごーやっ」と言葉を発したあたり、バンド像と違い人間味が感じられたのが意外でした。

—setlist—
01. Deathcrush
02. Wall Of Water
03. Illuminate Eliminate
04. View From Nihil
05. My Death
06. A Time To Die
07. Freezing Moon
08. Crystallized Pain In Deconstruction
09. Anti
10. Pure Fucking Armageddon

Dillinger Escape Plan

 メイヘムの暗黒儀式からまた違った熱狂に導いたのがDEP。オープニングの「Panasonic Youth」から変態的でテクニカルな演奏によって生み出される爆撃にやられます。

 しかし、音だけがスゴいわけではありません。ステージを縦横無尽に走り回り、楽器をぶん回し、マイクスタンドやアンプを倒しまくる激しいパフォーマンス。こんなステージじゃ狭すぎるんだ!といわんばかりにステージ上部の照明によじ登ったりと本当にやりたい放題。

 最新作『Ire Works』の楽曲を中心に1st、2ndの定番曲を入れたバランスよい選曲で構成。中盤に演奏されたロックンロール色の強い「Milk Lizard」が特に映えていたように感じましたし、代表曲といえる「SUGAR COATED SOUR」もけたたましい爆音と美麗な音の調和がライブでも格別でした。

 ラストの「Sunshine the Werewolf」ではギター2名が客席に乱入し、後方にあった激ロックのブースよりもさらに後ろまで来て演奏。もう何もかもが狂っている。バンドもお客さんも全部が全部。いつまでも記憶と心に残るだろうライブ、そう思わずにはいられませんでした。

—setlist—
01. Panasonic Youth
02. 43% Burnt
03. Fix Your Face
04. Lurch
05. Setting Fire To Sleeping Giants
06. Baby’s First Coffin
07. When Acting as a Particle
08. Nong Eye Gong
09. Milk Lizard
10. When Good Dogs Do Bad Things
11. Black Bubblegum
12. Sugar Coated Sour
13. Party Smasher
14. The Mullet Burden
15. Sunshine The Werewolf

At The Gates

 ラストに登場するのはもちろんアット・ザ・ゲイツ。昨日の大阪が再結成後初のステージ、そして今日が2回目。しかしながら、メタル界に一石を投じた傑作『Slaughter of the Soul』の曲を中心に繰り広げられたこのライブを見たら長期のブランクなんて感じさせない。

 猛烈なアグレッションと突進的なギターリフで会場の熱気を上げたかと思うと、叙情的な旋律を絡めて昂揚感をさらに高める。トーマスの強烈なスクリームヴォイスは狂気に満ちており、ものすごい迫力。パフォーマンスは申し分ない。

 10年の空白を物ともしない、なんて凄いバンドなんだろう!! 待ちわびた我々もそれに応えるべく、暴れまくるし飛びまくる。抑えていた感情は抑えきれない。アンコールではあの名曲「Blinded By Fear」、そしてラストには「Kingdom Gone」を演奏し、記念のDOJOを締めくくった。

—setlist—
01. Slaughter of the Soul
02. Cold
03. Under a Serpent Sun
04. The Swarm
05. Terminal Spirit Disease
06. Suicide Nation
07. Raped by the Light of Christ
08. Windows
09. World of Lies
10. The Burning Darkness
11. Forever Blind
12. Nausea
13. The Beatiful Wound
14. All Life Ends
15. Need

—encore—
16. Blinded By Fear
17. Kingdom Gone
18. The Flames Of The End

お読みいただきありがとうございました!
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