言葉を失うほどの重音仕様デュオ、5ive

マサチューセッツ出身のインスト・スラッジメタル2人組。ギター、ドラムという編成のみで漆黒のスラッジ爆音を轟かせている稀有なバンド。主に00年代に活躍。作品によってはISIS (the Band)のJeff Caxide が加勢していたりします。3枚のフルアルバムと2枚のEPを発表。ちなみにイギリスのアイドル・グループとは全く関係なしです。

以下、アルバムの感想を述べています。

目次

5ive (2000)

   マサチューセッツのウルトラ・ヘヴィ・インストデュオ、5iveの1stアルバム。彼等に関しては今のところ一番新しい作品(Hesperus)からさかのぼって聴いてますけど、この初作はスラッジメタルほぼ一本勝負で唖然とします。というのもメロディというのをほぼ放棄していて、媚びる事のない岩石をも粉砕する激重リフによる超威圧的な仕様。地を捲りあげ、そのまま宇宙まで吹き飛ばすハイパーな音塊に我をも忘れてしまう。

 この頃から2人でやってるなんてにわかに信じがたいもので、Electric Wizardと並ぼうとせんヘヴィさを誇ります。ギターとドラムだけなのにこの破壊力。本作以降は、ポストロック/ポストメタル/スペース・ロック的な要素が少しずつ注入されていきますが、ストイックに激ヘヴィ・激スラッジで戦う姿勢が本作ではとにかく印象的。

 執拗に反復されるリフで圧殺される9分超の#1「Burning Season」、小鳥のさえずりに癒されたのも束の間に密教的ドゥームから地鳴りの如き音圧で脳髄をかち割る#2「Orange」サイケ/ドゥーム色が追加された#4、空間が軋むほどのド迫力の音圧が11分にも及んで繰り広げられるラスト#6「Cerrado」まで、言葉を失うほどの脅威の音があなたを崩壊へと導く。ヘヴィ決定盤。

Telestic Disfracture (2001)

2ndアルバム。未レビューです。

The Hemophiliac Dream (2002)

   “5ive’s Continuum Research Project”としてリリースされた2曲入りEP。5ive史上に残る屈指の破壊力を備えた作品で、約23分と14分の2曲を携えた本作では圧倒的な轟音と共に宇宙を拝めます。

 序曲「The Hemophiliac Dream part 1」ではUFOmammutのように宇宙と交信するような電子音を飛ばしながら徐々に音圧を上げ、7分を超えるとようやくスラッジ大津波の第一陣に飲み込まれる。まさしく”Mogwai meets Sludge”の大爆撃。5iveらしい激重リフの応酬と重いリズムが呼応して出来上がるヘヴィな音の激流は、他の追随を許そうとしないレベル。再びの静寂を取り戻して意識が我に返ったかと思うと再び襲いかかる激しい轟音とグルーヴに全身が痺れる。気づけば口あんぐりの放心状態・・・。もはやバンドしての頂点とも思えるぐらいの秀曲を作り上げてしまいました。

 さらに「The Hemophiliac Dream Part 2」では電子音メインにリミックスされたサウンドで巧妙に昂揚感を煽ってきます。このリミックスの首謀者はどうやらJames Plotkinらしく、静かな電子音のエフェクトが神経の一本一本を驚くほど刺激してきますが、極端に歪んだ轟音が8分過ぎから噴出して悶絶。そのままスペーシーな音響と共に宇宙の彼方へと散っていく様には感慨深ささえあります。極めて強い衝撃と中毒性と恍惚感を持ったEP。未知のトリップ感をあなたに。

Versus(2006)

    のっけから我が総帥Justin K. Broadrickのリミックスから始まり震撼を告げる4曲入りEP。内訳は新曲が2曲(#2「Reso-1」、#3「Soma」)にジャスティンが「Soma」を2曲リミックス。

 新曲群に耳を傾ければ稲妻を思わせる轟音が幾度となく猛威を震う凄まじさ。2人という最小精鋭(ギター+ドラム)でありながらあまりにも完璧な重低音がキまり、豪快に地底を揺らし、空間を歪ませていきます。時には叙情性、時にドラッギーなギターを効果的に挟みながら、彼等のスラッジ/ポストメタルは威力を増して、聴き手の昂揚感と恍惚感を肥大化。ミニアルバムとはいえ、この威力は半端ない。

 ひたすら天空まで重低音が上昇していく#2のかっこよさに悶絶し、ジャスティン先生が激烈な轟音が火を噴く#3を原曲の重さを損なわぬまま、浮遊感溢れるエレクトロニクス紀行へと変貌させた#4も凄まじい限り。このコラボレーションはまさに鬼に金棒。ド迫力の音の壁だけでなく、眠る潜在能力がカリスマの手によって見事に引き出されたことを証明した作品です。

Hesperus (2008)

 2枚のEPを挟んで久しぶりとなる3枚目のフルアルバム。のっけから意識を地平線の遥か彼方へと吹き飛ばすような凶暴かつ巨大な大爆音をかまし、ひとまずの挨拶は終了。次からは頭上に超ドでかい岩石を落としまくる凄まじい炸裂っぷりで、もはや言葉も出ません。

 ギターとドラムという2人編成でやってるとは到底思えない、鋼鉄重装備の超轟音が脳裏・身体を圧していく。その爆音リフの図太さと強度からすれば、スラッジメタルからの影響を強く感じさせますが、しかしその一方でポストロック的な静寂パートの美しさもしっかりと抽出。所々ですっと深層心理に訴えかけるメロウなフレーズが効果的に働いているのもずぶずぶと嵌ってしまう要因といえる。そこからまたあの轟音が爆発した瞬間を迎えると、一気に全神経が持っていかれるのも無理はない。それほどの昂揚とカタルシスに満ちている。

 脳味噌を這いずりまわすサイケデリックな酩酊と超々スラッジ大爆撃の連続が激しく昂揚を掻き立てる#5、柔和な静の部分と巨大な漆黒の音柱が打ち立てられる動の交錯が特徴的な組曲形式のポストメタル#6、#7という終いの爆音物語三本は特に圧巻で、完膚なきまで叩きのめし、涅槃へと連れて行く。大地・空間に歪みをもたらす威力抜群の爆音で至福を感じ取れる、震撼必至の作品といえるだろう。

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