【アルバム紹介】AtomA、聴き手を宇宙の深淵と誘うサウンド

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Skylight(2012)

 元Slumberというメタル・バンドのメンバーを中心に結成したスウェーデンの3人組による1stアルバム。全10曲約47分収録。Bandcampの紹介の結びに”聴く者を冒険好きな宇宙飛行士にし、人間の未来の運命を背負わせるポストロック/ポストメタル・アルバムである“と書かれています。

 キーとなっているのは宇宙であり、それを表現するためにシンセサイザーを多用。デスヴォイスやリフ、リズムにメタルとしての攻撃性を用いながらもサウンド・デザインは、アトモスフェリックなものとしてまとめています。

 ポストロック~シューゲイザー方面から影響が大きく、それに伴った浮遊感や恍惚感が際立っている。耽美なピアノ、淡い女性コーラスも情緒を膨らませており、Jesuを華美に演出したようであり、AnathemaとJuniusが合体したようなイメージも浮かびます。#10のシンセの使い方を聴いてると70年代のクラウト・ロック勢からの参照もありそう。

 そういった多様なアプローチが作品の壮大さを支えており、神話を描くような凄みにつながっています。ちょいAmorphisっぽい叙情的なリフから美しい発展を遂げていく#6や心の芯に響く本作のハイライトの#8は文句無く素晴らしい。Anathemaほど万人には勧められないかもしれないが、多くの人を巻きこむだけの力が本作にはあります。

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