【アルバム紹介】Band of Horses『Infinite Arms』

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アルバム紹介

Infinite Arms(2010)

 2004年に結成されたアメリカのインディーロック・バンド。本作は3rdフルアルバム。オルタナ/カントリー色の強い音色に、美しきメロディとおおらかな包容力が備わった魅力的な作品です。

 繊細さとたくまいしさを兼備したバンド・サウンドを軸に、渋い味わいのあるBenの歌声が乗って聴き手の心に優しい光をもたらしていく。

 曲調はカントリーに根ざしたゆったりと奏でる様なものが多く、アコギを丁寧に鳴らし、柔らかなコーラスを交わらせながら聴かせる曲がほとんど。

 けれどもドライヴ感と迫力のあるバンド・サウンドで押したり、シンセやピアノの音色を親密に馴染ませて壮大に聴かせたりとスケール感を存分に拡大する演出が成されている曲もあります。

 素朴でありながらもラフな荒さを感じるし、牧歌的な中にも優雅な質感も感じ取れるはず。ナチュラルに胸打つメロディ、多岐の感情を揺さぶる魅力にあふれたヴォーカル、そして雄大なハーモニー。

 緑の大草原の真ん中で聴いてたはずが、いつのまにかジャケットのような藍の夜の大流星が飛び交う光景を目の当たりにする、かくも豊かなこの感性は貴重だ。

 特にブルース風情に温かなメロディが乗る#2、静かに情熱を浮かび上がらせて壮大に完結させていく物語性の高い#6が素晴らしい。時の流れを忘れて聴き入ってしまう良作。

お読みいただきありがとうございました!
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