【アルバム紹介】Battle of Mice『A Day of Nights』

Neurot Recordingsのレーベルメイトを中心に結成され、ヴォーカルにジュリー・クリスマス(Made Out of Babies)、ギター/キーボードにジョシュ・グラハム(Neurosis/Red Sparowes)らを擁する5人組。

本記事は唯一のフルアルバム『A Day of Nights』について書いています。

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アルバム紹介

A Day of Nights(2006)

 1stアルバム。全7曲約46分収録。本作ができあがるまでには物語があります。ずばり、ジュリー・クリスマスとジョシュ・グラハムによる遠距離恋愛の親密から崩壊までを記したものであると。

 ジュリー自身、「ジョシュと私の間に成長し、そして急速に衰退していく関係の中で何が起こったかを反映するタイムラインで書かれている」と述べています(レーベルインフォによる)。

 黒い海を思わせるヘヴィなサウンドアプローチが特色のひとつで、それはスラッジメタル人脈を介した必然さからくるものですが、レッド・スパロウズのデリケートな叙情性も織り込まれている。

 またヴォーカルを”つよつよちゃんねー”ことジュリー・クリスマスが務めていることで単色に収まらない。色彩と情感の豊かさが加味されています。

 彼女のしっとりとした語り、ヒステリックな叫び、艶めかしい歌。それが典型的なハードコアやメタル・ヴォーカルにない不穏な美しさと痛みを置いていく。

 重い音楽ですが、同時に感情の音楽へと昇華しているのはジュリー・クリスマスがいてこそ。「バンドの音の哲学は愛、欲望、嫉妬、ウィスキー、盲目的な怒りなど、広大で根源的な感情を反映しています」と彼女は説明している。

 なおジュリー・クリスマスは、後にMouth of The ArchitectやCult of Lunaの作品に参加している。

お読みいただきありがとうございました!
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