IZAH『Sistere』、極悪と極美で綴る約72分

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Sistere (2015)

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 オランダのアトモスフェリック・スラッジ/ポストメタル6人組の1stフルアルバム。ぽっと出の新人かと思いきや、2008年には『Finite Horizon/Crevice』というEPをリリースしており、7年かけてようやく1stフルの発表に漕ぎ着けたようだ。本作リリース後には、Roadburn Festival 2015にも出演を果たしている。

 全4曲全てが10分超えの約72分は、この手のバンドには相応しい長編物語が繰り広げられていく。中盤から後半にかけて繊細なトレモロでEITSばりの飛翔感を演出しつつ、ポストメタルの旨味を随所に暴発させた#1「Indefinite Instinct」で本作はスタート。沈み込むような重低音と共にNeurosisを思わせる深淵を覗かせ、聴かせる場面ではやたらと透明度の高いメロディを添えており、ヴォーカルに関しても低く唸るグロウルを中心として要所にクリーン・ヴォイスを挟んでいる。この曲だけなら分類として、静動激美の落差のあるアトモスフェリック・スラッジ/ポストメタルの類に入るものだろうと疑わないところだ。

 しかしながら、IZAHは定型フォーマットに簡単にはハマらない。#2「Duality」と#3「Infinite Horizon」でデスメタル風の残虐な攻め上がりを導入し、さらには漆黒鈍重ドゥーム、エピックなメタル、幽玄なるアトモスフィアを場面で切り分けている。それ故に後期のFall of EfrafaやVestiges辺りに通じる、メロディアスな側面を持つ危うく不穏な音楽という特性を押し出している印象を個人的に受けるものだ。また、#3の後半におけるJuniusのような重厚さと神秘性の入り混じった感じが好きだったりもする。

 最終的には約31分に及ぶ#4「Sistere」で、Cult Of LunaとAltar of Plagueがタッグを組んだかのような轟音の濁流と実験性を両立。映画の台詞(っぽいもの)を効果的にサンプリングしての悲劇的なムードを高める演出、そしてノイズ/ドローンの海に溺れさせる終幕には心臓のチューナーも狂うもんだろう。悪いグループに所属しているけど成績は優秀みたいな、ろくでなしポストメタル。極悪と極美で綴る約72分は強烈という他ない。

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