True Form、Method of Doubtなどのバンドで以前から同時に活動していた中で2020年に結成された4人組。90年代のオルタナティヴ・ロックやシューゲイザーからインスピレーションを受けたサウンドが特徴。
本記事は編集盤『I + II』について書いています。
作品紹介
I + II(2023)
2つのEPを収録した編集盤。全9曲約25分収録。テキサスを拠点とするインディペンデント・レコード・レーベル、Sunday Drive Recordsからリリース。収録された2つのEPは『Ⅰ』が2021年1月発売で5曲入り、『Ⅱ』が2022年6月発売で4曲入りです。
彼等は90年代のオルタナティヴ・ロックやシューゲイザーに感化されたサウンドが持ち味。WhirrやNothing以降のヘヴィなシューゲイズの流れをどうしても想起させますが、だりぃな的気だるげムーブ入ってるヴォーカル、グランジ譲りの武骨さと黄昏た哀愁が渦巻く。
Spotify再生回数1,000万回超えを記録しているオープナー#1「Stay」からして彼等の特徴が表れています。幻想的という言葉を引き離し、感情が表出することでの人間味やバンドらしい生々しさが作品全体に乗る。レーベルメイトであるGlareは近い存在といえそう。
ミドルテンポの進行の中でクリーンパートを強調した#3「Yellow」の涼やかさは魅力に映り、#4「Still」ではNothingの血筋と思えてくるパワフルさが押してくる。
編集盤とは言え全体的にまとまりのある作風ですが、前半の『Ⅰ』と後半『Ⅱ』では録音の違いを明らかに感じます。後者の方がより立体的でくっきりとした印象。そして『Ⅱ』の方がよりハードコア成分が強くなっており、#6「End」や#7「Rdo」ではリズム隊の馬力増が前のめりの勢いを追加しています。
9曲あるのに25分で終わることからもあっさり。それでもサウンドの波形が脳内で渦巻いてクセになるような感覚がある。
Angel In The Sand(2024)
1stアルバム。11月のリリース後に更新予定です。