【アルバム紹介】Ringo Deathstarr、親近感のあるシューゲイザー

 アメリカ・テキサス州オースティンのオルタナ/シューゲイザー3人組。2007年結成。バンド名はリンゴ・スターとスター・ウォーズに登場する要塞デス・スターに由来する。My Bloody Valentine、Ride、Jesus & Mary Chainといった初期のシューゲイザーバンドに影響を受けるも、紅一点のヴォーカル&ベースのアレックスの存在が他バンドとの差別化となっています。来日公演を何度も行っており、2012年にはフジロックへ出演。

 本記事は1stアルバム『Colour Trip』について書いています。

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Colour Trip(2011)

   1stフルアルバム。作品紹介にある『これがボクらの聴きたかったシューゲイザー!』という言葉が全てを物語る。甘酸っぱいメロディ、歪んだ轟音フィードバック・ギター、男女の淡いウィスパー系ボイス。それらの混成が美しく芳醇なハーモニーを奏でます。

 マイブラやジザメリを資本にしたシューゲイザー。それも一番シューゲイザーが隆盛を誇ったころのあの感覚が根付いている印象。Fleeting Joysを聴いた時もモロだと思いましたけど、リンゴ・デススターもかなりモロな感じ。しかしながら、凄く親近感のあるポップな音色を鳴らすことで自らの果実をつけており、聴きやすいです。

 春の日差しのような温かいフィーリングが根付いていて、足元を凝視しすぎるわけではなく、ベクトルがちゃんと聴き手の方向に向いています。儚さと狂気が混じり合うサイケデリアが陶酔をもたらすこともあり。#1、#4はその中でもかなりの佳曲、甘美な音像の中に取り込まれていく。

 白昼夢に誘う幻想的な#11での締めくくりもいい意味で期待を裏切ってくれて面白い。11曲で33分ほどと全体的にコンパクトにまとめているのも好印象。現代に蘇る黄金期のシューゲイザー、もろっぷりも含めてインパクトは十分でしょう。

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