【アルバム紹介】Serpent、日本の慟哭メロディックデスメタル

 神戸で結成された日本のメロディック・デスメタル・バンド。1993年の前身バンドからの歴史はありますが、Serpentに改名し手の活動は2002年から。In Flames等に影響を受けたメロディック・デスメタルに開眼することになります。

 2005年に『CRADLE OF INSANITY』、2008年に『xGODx』という2枚のアルバム等を残して、使命を全うして解散。日本には当時少なかったメロデス・バンドとして名を馳せました。

 中心メンバーであるKeija氏はVeiled in Scarletを立ち上げ、現在も活躍中です。

 本記事は前述した2枚のフルアルバムについて書いています。

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作品紹介

CRADLE OF INSANITY(2005)

 1stアルバム。彼等のサウンドは、In FlamesやDark Tranquillityに代表されるような北欧メロデスといえます。デス寄りの攻撃性とメランコリックな旋律を同居させて、リスナーを慟哭の泉へと誘う。

 特徴と言えるのは、日本人ならではと思えるぐらいの琴線に触れる劇的なメロディとドラマ性。それはメインコンポーザーであるKeija氏(dr)がYOSHIKI氏(X JAPAN)の影響を受けていることが大きいか。

 当然、バンド自身の演奏技術の高さや全編導入されたストリングスによる効果的な演出もSerpentの生み出すドラマチックさを際立たせています。ここまでメロディにこだわり抜いているバンドはそう多くはない。

 そこでまず、Serpentの凄さを知る上で#2「BLOODY GATES」、#4「Siren Night」#6「CRADLE OF INSANITY」の代表曲は外せない。強烈なギターリフとアグレッション、繊細なピアノと泣きメロの嵐。

 本作の時点で強烈なオリジナリティーを発揮。この界隈で話題をさらっただけある1stアルバム。

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xGODx(2008)

 2ndアルバム。本作も1stで聴かせた北欧メロデスが基盤。威力が増した痛烈無比なアグレッションと美意識をさらに高めたメロディは、既に確立した作風をさらなる高みへと引き上げています。

 そして、楽曲自体が多少コンパクトな設計となり、音質は大幅に改善。#2を筆頭とした彼等の王道といえる楽曲を前半に配置し、中盤にはモダン・メタル化への接近を試みた楽曲を配置。

 終盤ではネオクラシカルに傾倒した上品な楽曲(特に#8,#9)で物語を終えていく。前作にはなかったアルバムを通しての明確な流れというものが本作の強み。

 だからか美麗なメロディで押しまくりだった前作に比べて、アクセントが効いてストーリー性を感じます。その辺りのバランスの良さは改善を重ねてきたバンドとしての成熟。

 「デビュー作の要素を残しつつ、新しいことにも挑戦した」とメンバーが語るとおりに、バンドとしての幅広さと力強さを獲得し、涙腺刺激前線ともいうべきメロディがあなたを刺激し続けます

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オススメ曲

補足情報

 Keija氏が現在、率いているVeiled in Scarletが2022年に発表した『Reincarnation』でSerpentの曲の大半が新録されているのでオススメです。

 1stアルバム『CRADLE OF INSANITY』から9曲、2008年の2ndアルバム『xGODx』から7曲を再構築。

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お読みいただきありがとうございました!
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