2024年1月5日をもって当ブログ設立20周年を迎えました。でもまだ続きます。

【アルバム紹介】Story of the Year、一緒に楽しみ歌うスクリーモ

 1995年にアメリカ・セントルイス州で結成されたロックバンド。2000年頃にほぼ現在の主軸を担うメンバー構成になり、2001年にバンド名をStory of the Yearに変更。

 2003年に1stアルバム『Page Avenue』をリリース。デビュー作にしてスクリーモの新星として脚光をあびます。同作は後にゴールド・ディスク認定を受け、彼等の代表作として君臨。

 その後はEpitaphレコーズからリリースしたり、4人編成になったりと紆余曲折を経ながら活動を継続中。2023年に6thアルバム『Tear Me to Pieces』を発表しています。

 本記事はこれまでに発表されているフルアルバム全6作品について書いています。

タップできる目次

アルバム紹介

Page Avenue(2003)

   1stアルバム。全12曲約42分収録。デビュー作にしてスクリーモ・シーンのヒーローに躍り出た傑作アルバムです。タイトルは、ミズーリ州セントルイスに近い高速道路に由来(wiki参照)。

 ”キャッチーでノれること”と”一緒に歌える”が全てを解決することを本作は教えてくれます。SOTYはヘヴィなリフの操縦とタイトな演奏ながらも爽快感があり、メロディックなコーラスと瞬間沸騰のスクリームを携える。

 わちゃわちゃしたノリのパンク、シリアスなロックナンバー、泣きを誘発する歌ものとバリエーションは広め。加えて全曲3分台とコンパクトさを保ったことでの軽やかな流れが本作にはあります。

 意外とミドルテンポの曲が多いとはいえ、輪になって盛り上がれる/歌えるのがやっぱり肝。

 #2「Until The Day I Die」という最高のアンセムを装備し、#3「Anthem of Our Dying Day」や#9「Sidewalks」が静かに胸を打ち、ラストの#12「Falling Down」で熱い爆走をみせる。

 聴き手のツボを押さえたような歌とメロディに囲まれた本作は90万枚近く売上げ、後にゴールドディスク認定されることになります。

 2013年にはアコースティック・リメイクを施した10周年記念盤がリリース。同年には本作の完全再現する来日ツアーも行われました(私は名古屋公演に足を運びました)。

メインアーティスト:Story Of The Year
¥1,500 (2024/02/22 15:14時点 | Amazon調べ)

In the Wake of Determination(2005)

   2ndアルバム。全12曲約45分収録。全体的にラウド/メタル方面へとビルドアップして攻撃的な作風にシフトしています。

 ダイナミックな躍動感と疾走感を持ちながら、それでいてSOTYの根幹であるキャッチーさとノリやすさが全く薄まっていない。

 むしろパワフルな楽曲とバランスを取ることでメロディが立つようになり、全体を通してもプラスに働いています。ミドルテンポの歌ものが減ってる分は、疾走ナンバーを増やして補強。

 ゴリゴリ感があってもノリやすさはパンク/ハードコア由来のものであり、Funeral For A Friendほどではないけれどもメタル側への理解をうながすようにユニゾンのリフやギターソロを活用しています。

 モダンでキャッチーな#1「We Don’t Care Anymore」を筆頭に、アルバム全体の核となっている疾走ナンバー#2「Take Me Back」や#5「Stereo」の躍動、キャッチーなコーラスとギターソロが印象的な#6「Five Against the World」と聴きどころ多し。

 前作の「Until The Day I Die」のような絶対君主の名曲はないにしても、アルバム通しては本作がパンチ力が最もある作品。SOTYを軽く思っている人は、ぜひこのアルバムを聴いてみてほしい。

メインアーティスト:Story Of The Year
¥1,500 (2024/02/15 10:04時点 | Amazon調べ)

The Black Swan (2008)

   3rdアルバム。全13曲約49分収録。Epitaphレコードへ移籍しての作品。タイトルはアメリカの作家であるナシム・ニコラス・タレブの書籍『ブラック・スワン』に由来。

 アルバムのテーマのひとつとして”人間の存在は宇宙全体と比較すると取るに足らないものであるという概念”をあげています(wikipedia参照)。

 作風に関してヴォーカルのダン・マルサラは「1stのポップな性質と2ndの重いトーンが存在する」と述べている通りに、ちょうど中間地点に位置します。

 ハードコア/メタルよりの骨太さが目立った前作に比べてマイルドな歌ものを増やし、いい意味であくが抜けています。

 当時のアメリカ大統領を批判した#1「Choose Your Fate」からリードシングル#2「Wake Up」できっちりと聴き手のハートをつかみ、ノリとメロディの良さで全身を推進していく。

 終盤でアフリカンの空気を持ちこむジャンベとコーラスが入る#7「Message to the World」、ピアノとストリングスを活かしたバラード#11「Terrified」といった変化球も効いています。

 アルバム全体のバランスが最も取れていて、SOTYのこれまでの歩みがわかりやすく凝縮した作品となっています。

メインアーティスト:Story Of The Year
¥1,500 (2024/02/17 00:17時点 | Amazon調べ)

The Constant (2010)

 4thアルバム。全11曲約42分収録。5人編成としては最後のアルバムでEpitaphからのリリースも本作まで。”The Constant = 不変なもの”を意味しますが、それはバンドにとって”音楽”であり、その想いにあふれた作品です。

 タイトル通りの子どもたちのコーラスを入れた#1「The Children Sing」で幕開けする本作は、1stよりもメロディアスに軟化。

 ヘヴィなエンジンを所々でふかせていますが、目立つのはベッタベタなぐらいに”一緒で歌おうモード”でしょうか。#3「I’m Alive」のでっかいスタジアムでシンガロンガする風景が浮かぶ風格を備えています。

 新たな要素はほとんどないため品質改善型という印象。ですが求められている層に自分たちらしさを磨き届ける姿勢を貫きます。

 軽快でキャッチーな#5「The Dream Is Over」や「Ten Years Down」から、板についてきたピアノバラード#7「Holding On To You」、そしてピロピロギターや速いリズムで躍動するハードコア#11「Eye For An Eye」の炸裂。

 本作でもバリエーションは豊富。それこそ様々なアトラクションのあるスクリーモみたいです。

メインアーティスト:Story Of The Year
¥1,500 (2024/02/22 15:14時点 | Amazon調べ)

Wolves(2017)

 5thアルバム。全14曲約55分収録。長期にわたる休養、メンバー交代、レーベルとの契約切れ。さまざまな出来事に直面しながらもクラウドファンディングによる支援を得て制作し、自主リリース。

 Alternative Pressのインタビューで”アルバム全体のメッセージには、オオカミが迫ってきて時間がなくなるというアイデアが包括されています。『Wolves』の歌詞は、私が今まで書いた中で最も個人的なものです。とても傷つきやすくて暗い作品です。”とダン・マルサラは答えている。

 過去と明らかに違うのはデジタルなアプローチが飛び道具の域を超えて、バンド・サウンドと混合していること。シンセの煌びやかさとエレクトロニックなビートの支えがドラマティックさを助長。

 SOTYのクラシックな要素を詰め込みつつ前述した要素を融合した#3「Bang Bang」が先行シングルになったことからも変化は明らか。

 それに冒頭の打ち込みからラジオヒットしそうな歌ものを展開していく#5「I Swear I’m Okay」や#7「Can Anybody Hear Me?」にはかなり驚きます。

 後半の楽曲はよりシリアスな色合いを強めていくのですが、”過去の数枚のレコードでは政治や社会経済問題に手を出していたが、このアルバムでは再び自分自身に焦点を当てたいと思った“というダンの言葉にヒントはある。

 所帯を持ったことによる家庭環境の変化と成長、バンド編成の変更、これからの自分たちの未来。

 7分半にも及ぶ悲痛な歌もの#14「Praing For Rain」は、人間臭さをこのようにアウトプットできるようになったのかと感嘆してしまう名曲です。

メインアーティスト:Story Of The Year
¥1,600 (2024/02/22 15:14時点 | Amazon調べ)

Tear Me to Pieces(2023)

 6thアルバム。全11曲約33分収録。1stアルバム『Page Avenue』の発売から20年が経過。そのオマージュといえるジャケットに並々ならぬ気迫を感じると同時に、あの奇跡をもう一度といった願いが込められている気さえします。

 2分から長くても3分半に収めたコンパクトな尺に軽快な疾走感と跳躍したくなるグルーヴ感、昂ぶりを誘うスクリーム、心地よいメロディが詰め込まれる。

 アコースティックがわりと多めに用いたり、エレクトロニックな要素を交えているとはいえ、前作ほど作りこまれてはいなくてギミックらしいものはあまり用いず。4人のストロング・スタイルを貫いている印象は強いです。

 あの頃を思わせるスクリーモからポップパンク、軽やかな歌もの。特に初期ファンを喜ばせる楽曲群で固められています。『Wolves』のアップデートをまっさらにしてしまうとは。

 回帰を通り越して、これはもう同窓会じゃないかと思うぐらいの懐メロ・パレード。だからこそ”オレたちのStory of the Year”という想いを聴き手も強くするのです。みんなで一緒に歌う、オレたちとお前たちで。

 どんなステージに立ったって、それこそがSOTYの最大の武器なんだから。

 象徴となるのが先行シングルとなった#2「Real Life」。本曲についてギタリストのライアンは”生涯の友人4人が再び灯火を灯し、再びフルタイムのバンドになりたいと決意したサウンドです“と語っています。

メインアーティスト:Story Of The Year
¥1,800 (2024/02/22 15:14時点 | Amazon調べ)

どれを聴く?

Story of the Yearはどれから聴けば良いの??

 絶対に外せないのがデビュー作にして衝撃を与えた1stアルバム『Page Avenue』。キャッチーでいてメロディのたった曲が多し。聴きやすい。

 わたしとしては、ヘヴィなスタイルへと舵を切った2ndアルバム『In the Wake of Determination』の方がオススメです。

この曲を聴け!

Story Of The Year – Until The Day I Die (Official Music Video)

プレイリスト

お読みいただきありがとうございました!
タップできる目次