【アルバム紹介】Steve Hauschildt、Emeraldsの元シンセサイザー奏者

2013年に惜しまれつつ解散したミニマルアンビエントグループ、Emeraldsの元シンセサイザー奏者であるSteve Hauschildt(スティーヴ・ハウシルト)。これまでにフルアルバム6作を発表。

Tragedy & Geometry(2011)

 1stアルバム。全14曲約61分収録。krankyよりリリース。タイトルはギリシャ神話に出てくる女神たちの名前を参照しています。

 本家のEmeraldsで聴かせるクラウトロック~ミニマル音響~エクスペリメンタルな音楽道から大きくは外れません。主導権を握る優しく波打つようなシンセの反復、そして寄りそうように重なる柔らかなギターによるパノラマ。

 アンビエントな穏やかさ、そして近未来の煌びやさを彩りながらコズミックな音世界に魅了される人は多いはず。Ashra~マニュエル・ゲッチング辺りを彷彿とさせますが、3人の賢者によるEmeraldsの時よりもバランス良くポップに落とし込まれているので聴き心地が良いです。

 緩やかなグルーヴが包み込む中でスペーシーに拡がり、チルアウトしていける。白眉なのが#7「Music For A Moire’ Pattern」で、さながら11分に凝縮された『E2-E4』のような美しい情景と昂揚を聴き手に投げかけます。

 またハンマービートの中でシンセが明滅する#2、煌びやかなエレクトロニクスの海が拡がる#8や#12、アンビエント~ニューエイジ風に包みこむ#9と様々な角度から電子音使いの巧者振りを発揮。

 うたた寝できるほどの安らかさを誇り、それに程よい煌きが絶妙で、小刻みな反復と共に催眠的な心地よさを誘う。Emeraldsのファンならずとも必聴といいたくなる良作。

メインアーティスト:Steve Hauschildt
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Sequitur(2012)

   2ndアルバム。全8曲約38分収録。本体のEmeraldsもほぼ同時に新作『Just To Feel Anything』をリリースした中でのソロ作発表。

 音楽的には大きな変化はなし。アナログシンセやドラムマシーンを基調に、美しい星空やオーロラが広がっていくようなアンビエント~シンセポップである。

 AshraやClusterを思わせながらも、キラキラと有機的な響きが演出するコズミックな空間は、ただただ気持ちイイ。また、実験的でありがらも絶妙なポップのさじ加減があって洗練されています。

 エメラルズの中では地味目の存在ですが、このバランス感覚が大変良いですね。クラフトワークのようなロボット・ヴォイスを用いた(自身で歌っているらしい)3「Constant Remainds」の新鮮さ、また約20種類の楽器が用いられてるとのことで、全体に一本芯を通しながらの変化のつけ方も巧み。

 冒頭を飾る清涼感にも溢れたシンセポップ#1「Interconnected」を始め、どちらかといえばエメラルズ寄りの感性が発揮された#4「Sequitur」キラキラとした音色を重ねてカラフルな空間が広がる#6「Vegas Mode」など、本作も催眠的な心地よさに浸れる仕上がり。

メインアーティスト:Steve Hauschildt
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