ポートランドを拠点としているベース&ドラム編成による暗黒スラッジ・デュオ。脳味噌が真っ黒になるドゥーム/スラッジ・サウンドで世界を制圧にかかっている。
本記事は4thアルバム『I Shall Die Here』について書いています。
アルバム紹介
I Shall Die Here(2014)

4thアルバム。全9曲約40分収録。Thrill Jockeyから発表した前作『Christs, Redeemers』で、Pitchforkを始めとした各誌から高い評価を得ていたThe Body。
そこからさらなる暗黒を造形すべく、昨年にリリースした『Excavation』で世界中から話題を集めたThe Haxan Cloakが完全プロデュースを務めた本作を送り込んできた。
その万全の布陣で制作された本作は、ドゥーム/スラッジを根幹に光を軽々と飲み込む暗黒が支配しています。
SUNN O)))ばりに極端なまでのヘヴィさ、おぞましい怨恨が込められた叫びや呻き声が重なるこのサウンドは、独りだけ闇に取り残されたかのように救いがないい。
反復の昂揚感よりも、ディープな中毒性を重視したかのようで、病み切った雰囲気を持ち込むプログラミング音だったり、インダストリアルちっくなノイズだったりが悪意を持って折り重なって息が詰まるほど。
パーカッションがもたらす宗教感も嫌らしいことこの上ないし、アブストラクトな揺らぎを用いているとはいえ、ただただ不穏さをあおる効能にしかなっていない。
Andy Stott等のModern Love系列に連なるダビーな音飾も成されているが、それもやはりどん底への転落のほう助というべきもの。全ては「くだらない、神は死んだ」と言わんばかりに暗黒へとズブズブ沈めていくという形に集約しています。
混沌とした阿鼻叫喚のオープニング#1「To Carry the Seeds of Death Within Me」、切迫感に満ちたノイズ地獄#4「Hail To Thee, Everlasting Pain」、漆黒のアンビエントから激重拷問スラッジを叩きつける#6「Darkness Surrounds Us」と脳味噌が真っ黒になるほどえげつない。
ジワジワと嬲り殺すのも、一思いに鉄槌を打ちつけてやることも厭わない。音楽の極北を行く2つの個が合わさることでの恐ろしさと革新性を実感する衝撃の傑作でしょう。
