
2024年版に続き、2025年も継続して同内容のものを新たに定期更新していきます。2025年版は読んだ本一覧とし、基本的には読了したものを全部載せていきます。近い内容のことはX(旧Twitter)に書いたりしますが、ここでしか書かないこともあるので、お時間あるときにお読みいただければ幸いです。
”読書のお供に”なんて言うつもりもありません。こういった本を読んでるんだと知っていただければ十分です。
2025年読んだ本一覧①
レジー『東大生はなぜコンサルを目指すのか』

本書では”成長教”と表現されているほどで、読んだら成長という言葉を禁じられた気になりますが、前著の『ファスト教養』と同じく現代社会の風潮を理解できるような一冊かと。安定するために成長する。目的はわかるが、そこにどういった主体があるのかはよくわからない。漠然と社会に駆り立てられてそうなっている気がする。
”我々は必要以上に成長を促されるベルトコンベアに載せられている。それに対して自分のキャパシティーを超えて無理に適応しても、待っているのは心身の疲弊である(p210)”。地に足つけて生きる。自分にとっての大切なことを見つける。その難しさはSNS時代に余計に上がっている。
ゴールイメージからやるべきことを定義して、そこに高速のトライアンドエラーをかぶせることで「売れる」もしくは「バズる」アウトプットを磨いていくのが今の時代に最適化したミュージシャンのあり方である。この背景にあるのは、音楽業界の「IT産業化」だろう
『東大生はなぜコンサルを目指すのか』p165より
IT産業化というのはあらゆる指標が数字になることでもある。フォロワー数、インプレッション、リポスト数、再生回数・行動の結果が数値として提示され、それを追いかけて改善するのが当たり前になる。これは言い換えると日々の成長が見えやすいということでもあり、この構造に最適化した人々は数字を伸ばす中毒に陥っていく。「売れる曲といい曲”はイコールなのか?」といった問いは昔から存在するが、そんな疑問を挟む余地がないくらい現在の音楽業界では数字の力が強くなっている。この状況を飲み込めるかどうかが、今の時代に良いミュージシャンとして名を馳せられるかの分岐点となる(p166)
『東大生はなぜコンサルを目指すのか』p166より

周司あきら『男性学入門』

男性学とは、男性の当たり前を問う学問です(P4)
この系統の本はそこそこ読んでますが、本書は上記にある通り基本的なところを学べます。男らしさ、男性史、メンズリブ、家父長制などなど全6章に渡り、改めて男性について考える。
①男性の制度的特権(男性の加害者性)
②男らしさのコスト(男性の被害者性)
③男性内の差異と不平等性(男性の多様性)
p116においてこれら3つの視点を持つことが重要だと述べていますが、意識していくことだなと思ってます。ジェンダー的な表現は当ブログでも気を付けていますがね(いろんなことを本なり映画なりニュースなりで知っていかないと、このブログは書けないです)
特定の男らしさがもてはやされるときには、実はその裏で、これまで通り男性にとって都合のいい仕組みが維持されているのではないかと、注意深く観察しなければいけません。
『男性学入門」』P48より
